初心者が金の取引チャートから見える注意すべきポイントとは?
金取引の初心者のために、日本の金取引の基準価格と、チャートの見方の基本についてまとめました。オンラインでの金取引価格の調べ方と、価格の推移を知るのによく用いられる3種類のチャートについて概説します。上昇・下降のトレンドをチャートから見極めたうえで取引をすることが、損をしないポイントです。
金の取引相場はインターネットでチェックしよう
金は世界各地で取引され、24時間価格が変動しているため、金の相場はネットでチェックされることをお勧めします。金の相場は新聞でも調べることはできますが、コロナ禍で金価格が激しく変動している場合は、午前と午後で取引価格が違うケースもあります。常に最新の情報を追うことができる、オンラインの情報を活用しましょう。
オンラインでは、日本取引所グループのホームページや様々な企業で金の価格を公開しています。取引所というと株式売買の東京証券取引所をイメージされる方が多いと思いますが、2021年7月に金などの商品市場が大阪取引所に移管されたことで「総合取引所」がスタートし、日本取引所グループのホームページでも金の値段を確認できます。
日本取引所グループ
また、世界的な金価格の指標としては、先物市場はCMEのホームページで、現物(金塊)市場ではLBMAのホームページでそれぞれ価格やチャートを確認することができます。
いずれも価格配信はディレイ(数10分の遅延)になりますが、期間の変更やCMEのホームページでは様々なテクニカルインジケーターを試すことが可能です。
チャートの見方が分からなくても、その日の値動きが分かりやすいので、まずはこうしたサイトを活用して金の値動きをチェックしましょう。
初心者がおさえておきたい金取引チャートの見方とポイント
金取引や株の取引などで使われるチャートには、主に「ラインチャート」「ローソク足」「バーチャート」の3種類があります。初めて金取引をされる際には、まずは単純なラインチャートで大まかな値動きを把握し、慣れてきたら、より詳細が把握できるローソク足やバーチャートを利用されるとよいでしょう。
(1)ラインチャート
ラインチャートはもっともシンプルな形で、基本的には、その日の終値を繋げた折れ線グラフです。また、過去一定期間の平均価格を繋げた折れ線グラフのことを単純移動平均線、または移動平均線と呼ぶことがあります。先程ご紹介した日産証券のチャートでは、「5日分の移動平均線」「25日分の移動平均線」の2種類が表示されています。
(2)ローソク足
ローソク足は日本発祥のチャートで、いくらで取引が開始し、最大どのくらい値段の変動があったのか、一定期間の相場の動きが一目でわかるため、世界中で使われています。
太いローソク部分は始値と終値の価格の変動幅を表します。「陽線」は始値より終値のほうが値上がりした場合に表示され、「陰線」は始値より終値のほうが値下がりした場合に表示されます。ローソク(実態)部分が長いほど、その日の売買の勢いが強かったことを表します。
一日の値動き中、終値よりも値上がりしたり、あるいは値下がりしたりすることがあります。その価格変動の最大幅を「ヒゲ」として表します。
1本のローソク足が示す期間は調整でき、「日足」のほかに、「年足」「月足」あるいは「時間足」「分足」といった単位で表現することも可能です。
(3)バーチャート
ローソクとヒゲの代わりに、棒(バー)に小枝が生えているようなスタイルで、その日の始値と終値、価格の変動幅を表します。欧米でよく使われるチャートです。
※トレンドライン
トレンドラインとは、相場のトレンドを把握するためにチャートに引く補助線のことです。相場のトレンドには「上昇」「下降」「横ばい」の3種類があります。このうち、横ばいの相場はレンジ相場と呼ばれることもあります。
基本的には、上昇トレンドにあるときは値上がりの流れなので金を買い、下降トレンドにあるときは金を売るとよいでしょう。金の価格は長期的に見れば上昇傾向にありますが、短期的にはトレンドが変化していますので、上昇・下降のタイミングを見極めて売買することが、もうけを出すポイントになります。