金:6月の安値は中長期の買い場|【Weekly Report】週間予定 | 【公式】日産証券の金投資コラム

金:6月の安値は中長期の買い場|【Weekly Report】週間予定

日産証券インベストメント株式会社 菊川弘之
2024年6月24日

週間展望(6/24~6/30)

週間予定:米PCE価格指数・米大統領選テレビ討論会・仏下院選挙第1回投票

【週間スケジュール(6月24~6月30日)】

・日銀6月会合の主な意見 国債買い入れ減額方針決定も具体策は7月に見送りで円安加速


・米PCE価格指数 FRB高官「歓迎すべき下振れになると予想」発言


・東京都消費者物価指数 電気代値上げなど光熱費の上昇が加速見通し


・米大統領選テレビ討論会(激戦州ジョージア州で開催) 


・フランス下院選挙第1回投票(決選投票日7月7日)欧州議会で与党連合が大敗、結果次第では週明け再びユーロが荒れる可能性


・タカ派メスター・クリーブランド連銀総裁退任、7月FOMCは代わりにグールズビーシカゴ連銀総裁が投票



前週:「G7」VS「BRICS・グローバルサウス」

【没落していG7】

OPECプラスとBRICSプラスと上海協力機構

G7が共有する民主主義などの価値は結束の源泉だが、G7の多くの首脳が政権交代の可能性もはらむ大型選挙を控える。英国で7月4日に総選挙。与党・保守党が、野党・労働党に約20ポイント差でリードされ、政権交代の可能性が高まっている。支持率で与党・保守党をしのぐ野党・労働党による14年ぶりの政権交代が現実味を帯びている。仏マクロン大統領は、欧州議会選で与党が極右政党に大敗したのを受け、9日に下院選の実施を宣言。6月30日の第1回投票でも与党低迷が予想される。ショルツ独首相が率いる中道左派与党も、欧州議会選で過去最低の得票率に沈んだ。カナダも来年秋までに行われる総選挙を前に、与党は支持率低迷に苦しむ。米国は6月27日に大混迷の大統領選挙TV討論会が始まり、日本も、岸田首相が9月に自民党総裁の任期満了を迎え、自民党総裁選挙が開かれる見通し。内閣支持率は低迷し、再選できるか否かは不透明な状だ。


ロシアのラブロフ外相はBRICS外相会議で「BRICSの拡大は多極的世界秩序の形成を明確に裏付けるものだ」と、G7主導の国際秩序の終焉を示唆した。足元の地域紛争は、グローバルサウスの逆襲が背景だ。 

日米欧などのグローバルノースが行き詰まりを隠せないのに対して、グローバルサウスは人口的にも経済的にも世界の多数派になろうとしている。


政治・経済共に混迷深まるG7は、ロシア制裁で凍結されている資産でウクライナ支援を行うことで合意したが、スイスで開催されたウクライナ平和サミットは、16日に不調な中で閉幕した。米国のバイデン大統領は欠席。ロシアは招かれておらず、中国は欠席した。ゼレンスキー大統領はロシア軍の全面撤退などをうたった和平案を唱えたが、共同声明は出せたものの、インド、インドネシア、メキシコ、サウジアラビア、南アフリカなどが署名を拒否した。



ドル円:160円超での介入動向に注意

【今週見通し・戦略】

ドル円(日足)

13-14日の日銀金融政策決定会合では、長期国債の買い入れ減額方針を決めたものの、7月の次回会合で具体的な削減計画を決定すると先送りしたことで、円売りが進みやすい地合いとなっている。


植田日銀総裁は18日の国会答弁で、次回までの入手されるデータ次第ながら「場合によっては政策金利が引き上げられるということも十分にあり得る」と発言したものの、金融正常化への道の困難さが見透かされており、植田発言への市場の反応は限定的。


こうした中、据え置き予想が多かったスイス中銀が利下げを決定した。フランスを始めとするユーロ圏の政情不安に伴うユーロ売りに加えて、対スイスフランでのドル買いが強まったこともあり、ドル円は159円台に乗せている。欧州議会選挙を受けてフランスで国民議会(下院)解散と選挙の実施が決まり、6月末に第1回投票が予定されている。


160円近辺では、日本の金融当局によるドル売り円買い介入が警戒されている一方、20日に米財務省が日本を為替操作「監視リスト」に指定したことで、為替介入を仕掛けにくくなったとの見方も出ている。


米金融当局者の利下げに慎重な発言が目立ったことは、ドル円の下値を支えている。

政治相場化

今週は、米個人消費支出(PCE)デフレーターなどの米マクロ経済指標以外に、米大統領選挙の第一回TV討論会の内容にも注意。徐々に政治相場のウェイトが増えてくる。トランプ候補は、ドル高に強い懸念を表している。160円突破ですぐに介入が入らなかった場合、一時的に円安が進んだ後、介入で乱高下の可能性もあり、注意したい。


ドル円だけでなく、ユーロなど他通貨の動きも、ドル円に影響を与えそう。



金:6月の安値は中長期の買い場

【今週見通し・戦略】

NY金(8月限)

NY金(8月限)は、終値ベースでネックライン(5/3安値)と重なる心理的節目2300ドルを割り込むと、三尊天井完成や、2023年安値を起点とした上昇チャネル上限割れなどが重なり、テクニカル的な売りが一時的に出そうな中、米金融当局者発言や、米マクロ経済指標を受けて一喜一憂するような反応ながらも、ネックライン水準は維持されている。


引き続き、ネックライン割れからの急落における底打ち確認後の買い参入か、ネックライン割れがない場合は、ボックス相場(2300ドル~2500ドル)放れに付く戦術、もしくは、ネックライン水準で試し買い・ネックライン割れでの分割買いが有効であろう。


過去30年間の月間騰落傾向を振り返ると、内外共に金市場は「6月の弱気傾向」が確認できるが、NY金の7月の切り返しは大きく、円建て金は7-9月にかけて、堅調推移となっている。

買い場到来か?

日米欧の債務増加が通貨全般の信認低下につながる中、予算枠や価格高騰もあり一旦、見送られたPBOCの金買いも、長期的な在庫積み増し方向に変化はなく、今後、安値での買い付け増が確認されれば、強材料として捉えられるだろう。米国覇権・ドル基軸通貨体制の揺らぎと言う大きなテーマに変化はなく、6月の安値は中長期の買い場となりそうだ。


ドルの基軸通貨体制を支えてきた「原油取引の米ドル決済(ペトロダラー体制)」が人民元やルーブル決済にとって代わる流れが進んでいる。

かつて、米英で石油の生産をほぼ独占状態に置いた7社(セブンシスターズ)は、グローバルサウス中心の「新セブンシスターズ」が、原油生産シェア30%、保有油田埋蔵量でも30%と存在感を増している。



【米国サービス業PMI】

米国 サービス業購買読者指数(PMI)



【中国小売売上高】

中国 小売売上(前年比いv)



金ETF

金ETF買い残高(SPDR GOLD SHARES)

この記事の監修者

菊川弘之

東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社

日産証券インベストメント株式会社

取締役 菊川 弘之

NY大学留学。その間GelberGroup社、FutureTruth社などでトレーニーを経験。
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

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    NY金(8月限)は、ネックライン(5/3安値)と重なる心理的節目2300ドルを維持した中、ボックス相場が続いていたが、昨晩、米CPIを受け、レンジを上放れ、上げ加速となった。

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