金:2300-2400ドルレンジ放れ待ち|【Weekly Report】週間予定 | 【公式】日産証券の金投資コラム

金:2300-2400ドルレンジ放れ待ち|【Weekly Report】週間予定

NSトレーディング 菊川弘之
2024年7月8日

週間展望(7/8~7/14)

週間予定:パウエルFRB議長の議会証言・米CPI、米PPI

【週間スケジュール(7月8~7月14日)】

・パウエルFRB議長の議会証言 ディスインフレの進展や年内の利下げについて踏み込んだ発言があるか注目


・米6月消費者物価指数(CPI) 

  前年比で3ヶ月連続で伸びが鈍化見通し。前年比+3.1%と5月から鈍化見込み。

  コアCPIは+3.4%と5月と同水準予想。コア前月比は5月と同じ+0.2%予想。


・米6月生産者物価指数(PPI)

  前年比+2.2%、コア前年比+2.5%と共に伸びが強まる見込み。

  前月比は+0.1%、コア前月比+0.2%と伸びが強まる見込み。


・5月実質賃金 減少幅再拡大する可能性、


・日銀「債券市場参加者会合」開催 市場参加者の意見を確認し次回7月会合で具体的な減額計画を決定


・日銀イベント 支店長会議、地域経済報告、各地域から見た景気の現状、生活意識に関するアンケート



前週:米雇用統計

【米雇用統計】

米国 非農業部門雇用者数と失業率

米雇用統計 非農業部門雇用者数(前月比・万人)

6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比20万6000人増と、市場予想(20万人増)を上回ったが、4~5月分は下方修正された。

FRBが重視する月々の変動をならす3ヶ月移動平均は17.7万人増と、新型コロナウイルス禍前の2015~19年平均(19.3万人増)を下回る「平熱」の水準だった。


失業率は4.1%と、前月や市場予想より0.1ポイント高かった。失業率は米連邦準備理事会(FRB)による年末時点の想定をすでに上回った。市場予想を上回るのは3ヶ月連続となる。


平均時給の上昇率は、前月比が0.3%、前年同月比が3.9%と、市場予想に一致した。


米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した6月の米サービス業の景況感が予想を大幅に下回るなど、ここ最近は米国の個人消費やインフレの減速を示す指標が相次ぎ、過熱気味だった労働市場が均衡に近づいているとの受け止めが広がってきた。


就業者数の伸びが堅調さを保ちながら、ほどよい水準に近づいていると評価する向きが増え、金利先物市場が織り込む9月までの利下げ確率は、直前の73%から一時79%に上昇した。



ドル円:CPI・PPI・議会証言次第で調整入りも

【今週見通し・戦略】

ドル円(日足)

ドル円と米国10年債利回り(日本時間7/5~7/6)

心理的節目160円超で本邦当局から口先介入以上の動きはなかったこともあり、161円台まで続伸した流れを引き継いで始まったドル円は、3日に161.95円まで上値を伸ばしたが、米ISM非製造業景気指数が予想外の50割れとなるなど、一連の米経済指標が弱含んだことを受けて、米債利回り低下とともに調整入りとなった。


また、英国や仏の政治情勢の落ち着きが期待(最悪の事態回避)されたことも、ユーロドルやポンドドルの上昇を通じてドル安に寄与した。英国では労働党が地滑り的勝利となり、14年ぶりの政権交代を果たしたが事前予想通り。フランスでは7日に実施される国民議会の決選投票で、与党と左派連合の連携によって、極右勢力の過半数獲得が阻止される見通し。


週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びとなったが、前回値が大幅に下方修正されていたことや、失業率悪化で、発表直後には上昇したものの、引けにかけて下値を切り下げた。

FRB議長議会証言

パウエル議長は9日と10日に議会証言を行う。雇用統計を受けて、インフレ動向や利下げに関してなどに関して一段と踏み込んだ発言があるかどうかが注目される。CPI・PPIの結果と合わせて、ハト派寄りの発言となれば調整入りも。


米大統領選挙討論会は、トランプ候補有利となったが、大統領になった場合、貿易戦争などからインフレが強まり、利下げし難いと言う観測と、ドル高に関して牽制発言をしているためドル安に傾くとの見方に分かれるが、現段階で、これを見込んだ動きは時期尚早。

金:2300-2400ドルレンジ放れ待ち

【今週見通し・戦略】

NY金(8月限)

NY金と米国10年債利回り(日本時間7/5~7/6)

NY金(8月限)は、ネックライン(5/3安値)と重なる心理的節目2300ドルを維持。過去30年間の月間騰落傾向を振り返ると、NY金の7月の切り返しは大きく、円建て金は7-9月にかけて、堅調推移となっており、 6月の安値は買い場となるケースが多かったが、今年もアノマリーは有効だった。

押し目買い意欲強い

前週末のNY金(8月限)は、大幅続伸した。6月の米雇用統計は労働需給が総じて緩和していることを示し、米利下げ観測が高まった。


非農業部門雇用者数は前月比20万6000人増となった。失業率は前月の4.0%から4.1%に上昇し、2021年11月以来の高水準となった。市場予想は非農業部門雇用者数が19万人増、失業率は4.0%だった。4~5月の非農業部門雇用者数は下方改定され、両月の雇用者数は計11万1000人減少した。


次週の6月の米消費者物価指数(CPI)などを見極めたい向きもあったが、FRBが9月にも利下げを始めるとの観測が高まり、米債券市場では長期金利が低下。金利先物市場が織り込む9月までの利下げ確率が上昇しており、NY金がネックライン割れから下げ加速となるシナリオは大きく後退。2300ドル~2400ドルのレンジ放れ待ちの展開へ移行しそうだ。


NY州地裁の量刑言い渡し延期でトランプ氏が共和党全国大会で候補者に正式指名される前に刑罰を科されることはなくなった。「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わったことで、年内の米金利引き下げ期待と相まってマーケットは、株式市場を始め、急速にリスクオンの流れとなっている。金もこの流れに乗り、円建て金は史上最高値を更新中だ。11月の米大統領選挙に向けて、不確定要因・不安要因は多く、金相場はリスクオンで買い、リスク回避なら更に大きく上昇と言う流れとなりそうだ。



【米雇用統計&ADP雇用統計】

米国 ADPと米雇用統計



【米雇用統計(非農業部門雇用者数)】

米国非農業部門雇用者数と予測値



金ETF

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この記事の監修者

菊川弘之

東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社

日産証券インベストメント株式会社

取締役 菊川 弘之

NY大学留学。その間GelberGroup社、FutureTruth社などでトレーニーを経験。
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

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