金:4000ドル水準で底固めできるか否か|【Weekly Report】週間予定
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2026年7月13日
週間展望(7/13~7/19)
このページで知れること(目次)
週間予定:FRB議長議会証言、米CPI、米小売売上高
前週トッピクス:国際エネルギー機関(IEA)月報
ドル円:米利上げ観測の変化に注目
金:4000ドル水準で底固めできるか否か
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:FRB議長議会証言、米CPI、米小売売上高

・ウォーシュFRB議長
初の議会証言へ、インフレ見通しと利上げの行方を占う
・米消費者物価指数
ガソリン下落で伸び鈍化へ、インフレは頭打ちの可能性
・米小売売上高
ガソリン下落で伸び鈍化も、自動車販売増・W杯支出は支えに
・NZ中銀コンウェイ氏講演
ブレマン総裁は年あと2回の利上げ可能性否定せず
・FRB高官発言相次ぐ
タカ派寄りダラス連銀総裁やカンザスシティ連銀総裁
前週トッピクス:国際エネルギー機関(IEA)月報
【IEA月報】

国際エネルギー機関(IEA)月報で、米国とイラン間の衝突が再燃したことで、来年は石油市場で大幅な供給過剰になるというIEA予測が覆される可能性があるとの見方を示した。
6月には米国とイラン間の暫定的な和平合意により、イランが事実上封鎖していたホルムズ海峡が開放され、世界の石油供給量は急増したものの、まだ戦闘開始前の水準を回復していない。ホルムズ海峡の封鎖により、一時は最大で日量1400万バレルの供給が遮断されていた。
6月の世界の石油供給量は日量410万バレル増加したものの、なお戦闘開始前の水準を日量940万バレル下回っている。今年は日量370万バレルの供給減となるものの、来年は日量750万バレルの供給増が見込まれると予測している。だが、これはホルムズ海峡の通航状況が改善されることを前提としている。
IEAは「7月7日から8日にかけての攻撃の応酬は、見通しを不透明にし、来年に石油市場が供給過剰に転じるという予測を覆す可能性がある」とし、市場が正常化するためには恒久的な和平合意が「不可欠」だと指摘。
2027年予測によれば、油田の操業が再開され、石油製品の出荷が通常通り再開できれば、供給は今年の日量86万バレルの不足から、来年は日量462万バレルの供給過剰に転じる見通し。また、世界的な石油需要が今年は日量100万バレル減少した後、27年には日量200万バレル増加して回復する見込み。
また、ロシアの原油生産予測を下方修正した。ウクライナによるエネルギー施設攻撃が理由。「製油所、貯蔵施設、輸送インフラへの度重なる攻撃により生産見通しが弱まり、今年と来年のロシアの供給見通しをそれぞれ日量8万5000バレル、同15万バレル引き下げ、予測期間中の平均を日量880万バレルとした」と述べた。
ドル円:米利上げ観測の変化に注目
【今週見通し・戦略】


ドル円は、39年振りの円安ドル高水準まで上昇したが、米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想に届かず、円買い・ドル売りが優勢となり、調整安となった。
米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比5万7000人増と、市場予想(11万5000人増)に届かなかった。4月、5月分も下方修正された。早期の米利上げ観測が後退したことや、ウォーシュFRB議長は1日に欧州中央銀行(ECB)主催の「ECBフォーラム」の討議で、「議長就任後の4週間でインフレ期待やインフレリスクが低下した」と語り、米利上げ観測を強めるものではなかったとの受け止めから、円買い・ドル売りが入った。
ただし、心理的節目160円は維持され、8日には米軍のイラン攻撃やトランプ大統領の「イランとの停戦は終わり」との発言により地政学リスクが再燃し、原油と米金利が急上昇した。日本株安、日本国債安(利回り上昇)、円安のトリプル安となり、日本の10年債利回りが1996年以来の高水準(2.870%)を記録する中、ドル円は162円台後半まで上値を伸ばした。
日本政府・日銀による円買いの為替介入への警戒感が強い中、片山さつき財務相が10日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金による国内金融資産への投資を後押しする方策に言及したことが円買い・ドル売りを誘った。GPIFは、公的年金資産を国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に25%ずつ運用している。
議長議会証言
米6月消費者物価指数とウォーシュFRB議長の議会証言(下院金融委員会)、15日の米6月生産者物価指数、16日の米6月小売売上高などを受けて、米利上げ観測がどうなるかが焦点となりそうだ。
金:4000ドル水準で底固めできるか否か
【今週見通し・戦略】


1月高値を起点に下降トレンドを形成しているNY金相場だが、安値の節目を付けやすいストロベリームーン(6/30)の時間帯に、心理的節目4000ドル水準で下げ渋りの動きとなっている。
米イラン協議
自律反発で戻りを試したが、原油高に伴うインフレ警戒感から戻りは売られた。米中央軍は7日、イランへの「強力な攻撃」を行ったと発表。米財務相も同日、イラン産原油の購入を一時的に認める制裁緩和を撤回。さらに、トランプ大統領は8日、イランとの停戦は「終わったと思う」と述べた上で、「今夜再び激しい攻撃を行うだろう」と警告した。
これを受け、米原油相場は急上昇。原油高に伴うインフレ懸念から、米長期金利上昇やドルが対主要通貨で強含みに推移し、金は売りが先行した。ただし、心理的節目4000ドルは維持されている。
中国人民銀行(中央銀行)は7日、6月の金の購入を継続し、20カ月連続の買い増しとなったことを公表した。中国人民銀行の金保有は6月に48万トロイオンス増え、7544万トロイオンスとなった。今回の下げ局面では金ETFからの資金流出が観測される一方、下げ局面で、中国などの中央銀行の買いが拡大している状況。
米利上げ動向
今週は中東の地政学リスクの行方や、米CPI・ウォーシュFRB議長の議会証言などを受けた米利上げ動向が短期的には材料視されそうだが、仮に4000ドルを明確に割り込んだ場合は、一時的な売り圧力は高まりそうだが、そこで安値を売り込むことなく、チャート上の底打ちを確認して買いを考えたい。一方、4000ドル水準でのソーサーボトム形成の場合は、テクニカル的な売りが嵩んだ場合に追撃買いを入れることができる資金配分で、4000ドル水準で試し買いを考えたい。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

