金:中長期トレンド強弱分岐点|【Weekly Report】週間予定
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2026年6月29日
週間展望(6/29~7/4)
このページで知れること(目次)
週間予定:米・イラン停戦協議、米雇用統計
前週トッピクス:水星逆行開始
ドル円:独立記念日に伴う薄商いに注意
金:中長期トレンド強弱分岐点
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:米・イラン停戦協議、米雇用統計

・米雇用統計
政府・医療部門の増加とW杯の季節性により一部強気予想
・日銀短観
堅調なAI輸出と賃上げ伴う国内消費増がエネルギー高を相殺
・韓国貿易収支
AI需要急増で輸出は過去最高に、SK・サムスンに追い風
・ウォーシュFRB議長
ECBフォーラム出席、就任後初の国際舞台での講演
・独立記念日
トランプ米大統領演説、30日に米イラン実務者協議再開か
前週トッピクス:水星逆行開始
【フラクタル(自己相似)】


金相場を長期スタンスで観測すると、70年代安値から80年代の当時の史上最高値を更新した流れと、自己相似の強いフラクタルな流れが確認できる。
テクニカル分析でのフラクタル(自己相似)な値動きが、このまま継続するなら、そろそろ底打ちの時間帯で、戻り高値(2番天井)を試す流れへ。その後は、下降トレンドへ転じて数年の保合いへ移行していく。ただし、この保合いを上放れた後、最高値を更新。米国が予防的な利上げでなく、インフレ圧力が高まり、本格的な利上げサイクルに突入していくシナリオが意識された場合、この動きとなりそうだ。
一方、フラクタルは、自己相似が崩れると、崩れた方向に大きく動意付くと言われる。2番天井探りで、天井を打たず、高値を更新していったり、2番天井後に下落しても、ネックラインで支えられて、切り返して高値更新した場合は、上値余地は一気に大きくなるだろう。
リーマンショック時には、最初は株と共に下落した金相場は、途中で株との相関が崩れ、押し目を買い直され高値更新していった。現在のAI・半導体バブルが崩れた場合、同様な値動きが想定される。
金相場がテクニカル的なポイント(強弱分岐)に差し掛かっているが、水星逆行期(6/29~7/23)で出現するテクニカル的なサインがダマシなる可能性には注意。
ドル円:独立記念日に伴う薄商いに注意
【今週見通し・戦略】


ドル円は、片山さつき財務相は、ベッセント米財務長官とオンラインで会談したことを明かし、再度の為替介入を辞さない姿勢を強調。一旦、円高・ドル安方向に傾いたが、その後は再びじりじりと円売り・ドル買いが強まった。
FOMCは、「タカ派」との受け止めが多く、「フェドウオッチ」によると、年内の利上げ確率は80%を超えている。根強い米利上げ観測を背景に円売り・ドル買いが出た。半面、5月の米個人消費支出(PCE)物価指数が事前予想と一致した事で、早期利上げにつながるような内容ではないとの受け止めが強まり、米長期金利が低下したことや、日本政府・日銀による円買いの為替介入への警戒感が上値を抑えた。年内の米利上げを織り込む動きは一服している。
次の上値目標値は、V=163.0円、E=163.4円がカウント可能だが、10年債利回りはネックラインを割り込んでいる。大口投機玉は円売りが偏りを見せており、原油が再度、急上昇してインフレ懸念が高まりを見せななら、調整局面も出てきそうだ。週末には米独立記念日を控え、ポジション調整も入りやすい。一方、トランプ大統領が26日、米テック企業へのデジタルサービス税(DST)を検討している欧州諸国などを念頭に、DSTを実施した国に「即時に100%の関税を課す」とSNSで表明。米欧の貿易摩擦が再燃することへの懸念がユーロ売り・ドル買いとなった。
雇用統計
今週注目のマクロ経済指標の事前予想は、米5月雇用動態調査(JOLTS)求人件数は727.5万人(前回761.8万人)、7月1日の米6月ADP雇用統計が11.8万人増(前回12.2万人増)、米6月ISM製造業景況指数が53.8(前回54.0)。米6月雇用統計は、非農業部門雇用者数が11.5万人増(前回17.2万人増)、失業率は4.3%(前回4.3%)の見通し。
金:中長期トレンド強弱分岐点
【今週見通し・戦略】


米・イランの停戦に伴う覚書(MOU)が結ばれ、原油相場は下落したものの、年内の米利上げ観測が根強く、米金融当局者の間でタカ派的な発言が増えていることなどを背景に、ドルが対主要通貨に対して強含みに推移。金は売りが先行した。52週移動平均線を割り込んだ。
ダブルトップ・三尊天井
重要支持線であるネックライン(4000ドル水準)を終値ベースで割り込んでくると、押し目買いを入れた向きの投げも巻き込み、一時的に下げが加速する可能性も残っている。過去の季節傾向通り、6月安値が夏高パターン(7-9月)の買い場となるのか否かの分岐点。2022年11月安値~2026年1月高値までの上昇に対する38.2%押しは4069.2ドル。半値押しは3600.6ドル。2003年安値を起点とした上昇チャネルは継続しており、2023年から急角度に上昇した短期的な買われ過ぎに対する調整局面で、半値押し程度まで下げて、ようやく上昇チャネルの上限であり、長期上昇トレンドは継続だ。米金利上昇の一因であった原油相場は下落しており、米戦略備蓄放出や,イラクのOPEC脱退・増産観測も浮上しており、独立記念日(建国250周年)に向けて、リスクオンが高まるなら、NY金相場もリスクオンの波に乗るだろう。金相場がテクニカル的なポイントに差し掛かっているが、水星逆行期(6/29-7/23)で出現するテクニカル的なサインがダマシになる可能性に注意。
分割買い
5月の米個人消費支出(PCE)物価指数が事前予想と一致した事で、早期利上げにつながるような内容ではないとの受け止めが強まり、米長期金利が低下。CMEフェドウオッチによると、9月の利上げ確率は64%から59%へ低下。先週、インドでは金が1ヶ月半ぶりに高値で取引を開始した。価格調整(下落)により買い需要が高まった。米国覇権・基軸通貨ドルの揺らぎ・衰退の大きな流れに変化はなく、4000ドル水準で試し買い・大きめの調整が出れば、追撃買いを入れる資金配分での分割戦術を考えたい。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

