金を購入する際に発生する手数料とその他の費用について
一般的な金購入の方法である金地金・金貨・純金積み立て・金ETFについて、購入手数料の目安を種類別に調査しました。
金の種類別にみる購入手数料
一般的な金購入の方法と、それにかかる手数料などのコストを紹介します。金の購入を検討する際には、金の種類や重さ、投資の種類によって、金本体の価格のほかに別途購入手数料がかかることに注意が必要です。
基本的には、少量を購入するほど手数料が割高になります。また、毎月数千円から可能な純金積み立ては、手数料も高めです。できるだけ手数料をおさえるためには、まとまった量の金を購入されるとよいでしょう。
(1)金地金
「ゴールドバー」「金の延べ棒」などとも呼ばれる金の塊です。“金の延べ棒”というと、地金商をイメージする方が多いかと思いますが、最近は証券会社でも金の購入が可能なようです。
地金商で購入する金は、地金商で購入する金は、一度金を溶解・製造する手間がかかっているため、金本体の価格のほかにバーチャージ(手数料)が発生します。
これに対し、市場で流通する地金を販売する証券会社などでは、地金商に比べ安く購入できます。但し、ブランド指定や少量購入、ヴァージンバー(新品)を入手することが難しい点があります。
【手数料の目安】
5g/10g/20g→4,400円
50g→8,800円
100g/200g/300g→16,500円
(田中貴金属工業・2023年1月時点の場合)
(2)金貨
主に外国の政府が発行する投資用の通貨です。24K相当(金99.9%)のものとしては、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストリアのウィーン金貨、中国のパンダ金貨、オーストラリアのカンガルー金貨などがあります。それぞれに特徴的なデザインが施されており、コレクターズアイテムとしても人気があります。数万円程度から購入でき、手数料もかかりませんが、同じ重量の金地金と比べると販売価格は割高になっています。
【手数料の目安】
無料
(3)純金積み立て
毎月3,000円程度を積み立てて金を購入します。積立額が一定の金額になれば現物と交換できますが、購入金額に応じて手数料がかかります。また、企業によっては別途口座開設費、年会費、売却手数料などがかかるところもあり、現物で購入するのに比べて手数料は高くなります。
【手数料の目安】
一か月の積立金額の合計が3,000円以上29,000円未満→積立手数料率2.5%
30,000円以上49,000円未満→積立手数料率2.0%
50,000円以上→1.5%
(田中貴金属工業・2023年1月時点の場合)
(4)金ETF
金の上場投資信託のことで、株式のように、証券会社を通じて証券取引所で自由に金を売買できる仕組みです。金ETFには様々な種類がありますが、中には、投資家が交換の申し込みをすることで、現物の金と交換できる商品があります。有名なのは三菱UFJ信託銀行の「金の果実」シリーズで、金を1kg以上5kg未満、1kg単位で交換することができます。
【手数料の目安】
事務取扱手数料→5,500円
地金改鋳費用→1kg当たり22,000円
運送費用等→3,300円
※その他、小口転換取扱証券会社が独自に定めた転換取扱手数料がかかる場合有り
(三菱UFJ信託銀行「金の果実」・2023年1月時点の場合)
地金をお得に購入するには、どこで買えばよいの?
金地金取引で人気のある企業三社の手数料を比較しご紹介します。金は高価品なので、500g以上の金地金はそう簡単に購入できないという人も多いことでしょう。500g未満の金は手ごろな投資商品ですが、その代わりに手数料がかかってしまいます。しかし、有名会社の商品であっても500g未満の金地金購入の際に手数料がかからないケースがあります。
なお、金の手数料には大きく分けて金地金の加工料金である【バーチャージ】と、販売側の利益分である【売買スプレッド】の2種類があります。一般的に、金地金の手数料とはバーチャージのことを指します。図の通り、日本マテリアルは100gのバーチャージを無料としており、手ごろな価格で他社と差別化を図っていることが分かります。
企業の利益分である売買スプレットは各社とも1.6%ほどかかっており、差がないことから、これは金を買う際には受け入れなければならない手数料ということになります。