金:米金利高を嫌気した金の安値は中期的な買い場|NY金月間騰落傾向・中国人民銀行金購入・中国金輸入|【Monthly Report】月間展望(10月)
![]()
2026年10月1日
~10月1日~10月31日 ~
このページで知れること(目次)
ドル円:御上(米財務長官)に逆らうな 米購買力平価・ドル円(月足)・CFTC建玉明細
金:米金利高を嫌気した金の安値は中期的な買い場 NY金月間騰落傾向・中国人民銀行金購入・中国金輸入
10月注目スケジュール:米・イラン停戦協議・雇用統計・FOMC・日銀金融政策決定会合
御上(米財務長官)に逆らうな

【今月見通し・戦略】
ドル円は、米雇用統計が労働市場の堅調さを示す内容だったことで、米利上げ観測が高まり、円売り・ドル買いが優勢となった流れが継続。S&Pグローバルが発表した9月の米製造業PMIは57.0と市場予想(53.5)を上回り、4年4ヶ月ぶりの高水準となった。サービス業PMIは58.7と市場予想(55.7)を大幅に上回り、4年11ヶ月ぶりの高水準を付けた。人工知能(AI)関連の設備投資の勢いが米経済成長を加速させており、米雇用の底堅さと共にインフレ懸念につながり、主要通貨に対するドル買いが入り、200日移動平均線を試す流れとなった。また、FRB高官からインフレ警戒や追加利上げの可能性を示唆する発言が目立った中、米長期金利が2007年以来、約19年ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)した。
一方、購買力平価からの乖離率も、いつ調整が起きてもおかしくない水準だった中、片山さつき財務相は25日、ベッセント米財務長官とオンライン協議した後、「円の過小評価は問題であるという点を再確認した」と記者団に語った。両国の協力強化にも言及。ベッセント氏も「堅調な日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映した強い円が望ましいことと、外為市場に関して密接なコミュニケーションを維持することの重要性について協議した」とXに投稿した。22日の日米首脳会談でトランプ米大統領が円安進行に懸念を示していたことも明らかになり、円買いが優勢になった。
心理的節目155円と重なるネックラインを下回ると、リターンムーブからの反落パターンとなる。下値目標は、N=151.5円、V=149.9円、E=146.3円などがカウント可能。米雇用統計やPCE価格などを受けたネックラインの攻防が焦点。
~購買力平価乖離・ドル円(月足)・CFTC建玉明細~
【米ドル円の購買力平価乖離率】

【ドル円(月足)】

【ドル円(CFTC建玉明細)】

米金利高を嫌気した金の安値は中期的な買い場

【今月見通し・戦略】
NY金(12月限)は、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の追加利上げ観測の高まりやドル上昇が上値を抑えた。FRB高官らのタカ派的な発言や見解を受け、年内の追加利上げ観測が一段と拡大する中、米10年債利回りが再び5%を超え、19年ぶりの高水準に上昇した事を嫌気した。
ソーサーボトムを形成していた時に上値抵抗だった7月6日高値(4276.2ドル)の下値支持線を割り込んできた。内外共に夏に付けた一番底が意識される展開となっている。
エネルギー高などに起因するインフレ抑制を目指し、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に追加利上げに踏み切るとの観測が拡大する中、ドル買い圧力が強まっていたが、米中首脳会談を挟んで、米国とイランの戦闘終結へ向けた協議進展期待が再燃。原油価格が下がり、ドル上昇も一服している。
イランのアラグチ外相が24日、一定の条件を満たせば7日以内にホルムズ海峡を開放し最終合意に向けた交渉を再開するとの計画を、仲介国を通じて米国に示したと語ったと報じられた。イランのペゼシュキアン大統領も24日、米中間選挙前に戦闘終結に向けた合意に応じる用意があるとの考えを示した。
米中首脳は11月のAPEC首脳会議、12月に米フロリダ州マイアミで開催する20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でも対面が想定される。G2体制が着実に進んでいく中、雇用統計を中心とする米マクロ経済指標が弱気の内容となるなら、米利上げ観測も後退する。中秋節~国慶節にかけて中国勢(買い手)が不在となる中、米金利高観測を嫌気した金の安値は中期的な買い場となる。
~JPX金月間騰落傾向・中国人民銀行金購入・中国金輸入~
【月間騰落率(OSE)】

【中国人民銀行金購入】

【中国金輸入量】

10月注目スケジュール:
米・イラン停戦協議・雇用統計・FOMC・日銀金融政策決定会合

・米・イラン停戦交渉
水面下の交渉継続見通し
・米雇用統計
前回は強気でドル買い・長期金利上昇
・5中全会
景気対策ではなく、「十五五」を進めるために党・軍・国有企業をどう統治するかを見る会議
・米CPI
10月FOMC直前の重要な判断材料に
・米FOMC・日銀金融政策決定会合
追加利上げの有無に注目
・中国GDP
GDPだけでなく、小売売上高・鉱工業生産高・不動産関連を同時に見る必要
この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

