金:円高で突っ込んだ安値は、買い場面を提供|NY金(週足)・NY金月間騰落傾向・金価格と米利払い|【Monthly Report】月間展望(8月)
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2026年8月3日
~7月1日~7月31日 ~
このページで知れること(目次)
ドル円:日米協調介入姿勢 米利払い費・ドル円(月足)・CFTC建玉明細
金:円高で突っ込んだ安値は、買い場面を提供 NY金(週足)・NY金月間騰落傾向・金価格と米利払い
8月注目スケジュール:米・イラン停戦協議・雇用統計・スペースⅩ決算・ロックアップ解除
日米協調介入姿勢

【今月見通し・戦略】
ドル円は、米東部時間7月30日午前に、162円台から一時は157円80銭と、5月中旬以来約2ヶ月半ぶりの安値を付けた。大規模な円買い・ドル売り注文が入り、日本政府・日銀が円買い介入をしたとの観測が広がった。まとまった円買い注文をきっかけに、円売り・ドル買いの持ち高を解消する動きが広がった。米財務省が7月31日、市場に円買い介入の可能性を事前通告する異例の措置をとった。英FTは、米財務省が31日に円相場に介入し、円を直接買い入れることで円を下支えしたと報じた。FTによると、ニューヨーク連銀が財務省に代わってユーロを売却し円を購入した。ベッセント財務長官の援護射撃は、1月の「レートチェック」に続いて2回目。米財務省の意思が確認された格好。通貨と債券の「日本売り」が米国債売りを誘発する懸念があるため。日本売りと米国債売りの連鎖を防ぐ即効策は、円安阻止にある。日本の外貨建て保険などの解約ラッシュを抑え、為替のヘッジコストを減らして機関投資家の外債売りを止める効果もある。米10年物国債利回りは4.7%台に上昇し、30年債は5.2%台と19年振りの高水準になった。連邦政府債務は40兆ドルに近づき利払い費は年1兆ドルもかかる。さらなる金利上昇は政府債務を雪だるま式に膨らませる懸念がある。
今回の介入は、効果がしばらくは続く可能性。①日米が協調行動した事②ベッセント長官のメモに関する報道によれば「日本円を50億ドルから100億ドル購入」と指示した模様。2011年の協調介入と比べても、規模感は大きい、③米国債を売れば米長期金利が上昇する可能性があり、外貨準備の場合は、「あといくら介入できる」など市場の憶測が先行し、介入効果が薄れる可能性が高かったが、米国のレポファシリティーを活用することで、これらの懸念が後退。まずは、200日移動平均線が抵抗となるのか支持線となるのかに注目。8月の季節傾向は、円高ドル安が優位性の強い時間帯。
~米利払い費・ドル円(月足)・CFTC建玉明細~
【米利払い費】

【ドル円(月足)】

【ドル円(CFTC建玉明細)】

円高で突っ込んだ安値は、買い場面を提供

【今月見通し・戦略】
金相場は新月(7/14)の時間帯に戻りを売られたが、終値ベースで心理的節目4000ドル水準は維持されている。ダブルボトム完成とはならず、引き続きソーサーボトムを形成の動き継続。4000ドル水準でのソーサーボトム継続の場合は、テクニカル的な売りが嵩んだ場合に追撃買いを入れることができる資金配分で、4000ドル水準での試し買い戦略を継続したい。円建て金は、急速に進んだ円高ドル安の影響で、20日間・50日間安値を更新することで、テクニカル的な売り圧力が高まる可能性はあるものの、ファーストアクションは円高ドル安に反応するものの、その後には、ドル安を受けたマザーマーケットのNY金高に追随すると思われ、安値売込みは避けたい。
米国は、ドル建てステーブルコイン(金の裏付けあり)などを通じて、世界中にドル需要と米国債需要を広げようとしている。建国250周年を迎えた米国は、軍事・最先端技術・文化・スポーツなどあらゆる面で歴史上最強となっているが、かつての絶対的な強さはなく、相対的には中国に追いかけられ、その力は拮抗する方向へ向かっている。米中覇権争いは、短期的に決着するようなものではなく、数十年単位での時間が必要だが、その流れの中で金(ゴールド)の重要性は更に増していく。
WGCゴールド・ディマンド・トレンズ2026Q2によると、第2四半期は価格が軟調となったが、総需要は前年同期比横ばいの1269トンとなった。上半期の総需要は同2%増の2522トンとなり、金額で過去最高の2800億ドルを記録。第2四半期は金ETF(上場投信)が45トン減少。金地金およびコインへの投資は同3%減の307トン。中央銀行の金購入は同62%増の289トン。第1四半期に減速したが、急回復した。
~NY金(週足)・NY金月間騰落傾向・水星逆行期~
【NY金(52週移動平均線)】

【NY金月間騰落傾向】

【金と米利払い】

8月注目スケジュール:
米・イラン停戦協議・雇用統計・スペースⅩ決算・ロックアップ解除

・米・イラン停戦交渉
トランプ大統領、イランとの新しい協議は3日に始まる
・米雇用統計
前回急減速から持ち直し、夏本番でレジャー・接客業で増加か
・日銀6月議事録
金利31年ぶり水準に引き上げ、次回利上げのヒント示さず
・スペースX
過去最大IPO後初の決算に注目集まる。
米スペースXロックアップ解除(※約9億1150万株=約1160億ドル売却可能)
・ジャクソンホール会議
この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

