金:ポジション整理後は、改めて押し目買い基調へ②|【Weekly Report】週間予定 | 【公式】日産証券の金投資コラム

金:ポジション整理後は、改めて押し目買い基調へ②|【Weekly Report】週間予定

NSインベストメント 菊川弘之
2026年1月13日

週間展望(1/12~1/18)

週間予定:米消費者物価指数(CPI)・片山財務相会見(日本記者クラブ)

【週間スケジュール(1月12日~1月18日)】

・12月米消費者物価指数

 政府閉鎖によって生じた歪みは春にかけ徐々に解消へ


・G7財務相会合

 レアアース供給について協議、世界生産量7割を中国が占める


・片山財務相が日本記者クラブで会見、城内経済財政相も財政政策について講演


・FRB高官発言相次ぐ

 今年投票権を持つミネアポリス・フィラデルフィア総裁


・イラン軍事作戦や経済制裁などの対応策を協議


・小泉防衛相とヘグセス米国防長官、会談


・FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)(29日まで)



前週:米雇用統計

【米雇用統計】

米国雇用統計

米労働省が9日発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比5万人増と、市場予想(6万人増)を下回った。建設、小売、製造業での雇用減が目立った。


一方、失業率は4.4%に低下。時間当たり賃金は前年比3.8%上昇と、伸びは11月の3.6%から加速。


米政権の関税措置や移民政策が労働者の需給双方に影響しているという指摘がある。また、人工知能(AI)への投資拡大を背景に、企業は採用に慎重姿勢を維持する中、「雇用なき景気拡大」が鮮明となっている。


11月の雇用者数は6万4000人増から5万6000人増に下方改定された。また、10月は10万5000人減から17万3000人減と、約5年ぶりの大幅な下方改定となった。


25年は年間58万4000人増、月平均で4万9000人増にとどまった。24年は約200万人の雇用が創出された。ただ、来月に1月の雇用統計と合わせて公表されるベンチマーク改定で下方修正される可能性がある。11月の失業率は当初発表の4.6%から4.5%に下方改定された。12月の雇用者数の増加は一部の業種に集中。レストラン・バーは2万7000人増、医療関連が2万1000人増、社会扶助は1万7000人増。一方、小売は2万5000人減、製造は8000人減、建設は1万1000人減だった。連邦政府は2000人増加したものの、トランプ大統領の政府縮小政策を背景に、25年は年間で27万4000人減少した。


雇用増を報告した業界の割合は12月は50.8%と、11月の55.6%から低下した。過去3カ月間の雇用者数の伸び平均は月間2万2000人減少し、労働市場の減速を浮き彫りにした。



ドル円:ドル円の戻りを試す流れ継続

【今週見通し・戦略】

ドル円(日足)200日移動平均線

ドル円(日足)200日移動平均線乖離率

ドル円は、年末年始の薄商いの中、米国が3日にベネズエラを軍事攻撃し、マドゥロ大統領を拘束。トランプ大統領はベネズエラの暫定政権が米国主導の国家再建に従わなければ、再攻撃すると表明したこともあり、地政学リスクが意識されやすいとして、円買い・ドル売りが優勢となる場面もあったが、下値は限定的。


中国政府は6日、軍民両用の規制に基づいて日本への輸出規制を強化すると発表。レアアース(希土類)関連製品も対象に含むとの指摘がある中、中国政府は7日、半導体の生産工程で必要となる日本産の特殊ガスについて反ダンピング(不当廉売)調査を始めたと発表するなど日本売りを意識させた。

雇用統計

12月雇用統計は、総じて無難な結果だったものの、衆院の解散報道に加え、午前0時前後に米連邦最高裁の訴訟判決が見送りとなったと伝わり、円売り・ドル買いが進み、一時は158.18円と、1年振りの円安・ドル高水準を付けた。米雇用統計で失業率が4.4%と下方修正された11月(4.5%)から低下し、市場予想(4.5%)も下回った。非農業部門の雇用者数は前月比5万人増と市場予想(7万3000人増)を下回った。


高市早苗首相が23日招集予定の通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入ったと報じられ、与党が勝利すれば、高市政権が掲げる積極財政が実現しやすくなるとの観測も円売り圧力となり、ネックライン(12月9日高値)を上抜き、リターンムーブからの反発パターンとなった。心理的節目160円、V=161.47円、N=162.87円などが上値目標。本邦の介入姿勢(片山財務相、会見)と解散総選挙へ向けた動きに注意。



金:ポジション整理後は、改めて押し目買い基調へ

【今週見通し・戦略】

NY金(2月限)MAC(Moving Average Channel)

米軍は1月3日、ベネズエラに対する地上攻撃とマドゥロ大統領の拘束と言う電撃作戦に踏み切り、金相場は大きく上昇して始まった。昨年12月5日に公表された米国家安全保障戦略(NSS)では、トランプ大統領の西半球を重視姿勢が明記されており、それが具現化された作戦だった。米国は世界に介入せず南北アメリカの縄張りを守るという「モンロー主義」への回帰を打ち出した。冷戦終結後初めて、米国が「覇権主義」を放棄すると鮮明に示したものだ。


国連の無力が確認されると共に米国のダブルスタンダードに米国離れも強まるだろう。ベネズエラに対する軍事攻撃を受けて、5日の金融市場では株高と金高が同時に進行した。一般に地政学リスクの高まりは株の売り材料、金の買い材料になるが、昨年から教科書的な値動きから逸脱した動きも継続している。金価格と株価が同時に急騰している相場について国際決済銀行(BIS)年次報告書で、金価格と株価がともにバブル相場になっている可能性が浮上していると指摘。金の2025年の値動きは、従来のパターンとは大きく異なるとした。同時上昇の背景は「過剰流動性」と指摘し、「中央銀行バランスシートが依然巨大」「パッシブ運用資金の指数買い」「投資家のリスク回避・地政学的要因」などから資金が株にも金にも流入しているとした。更に、金の史上最高値更新は、投機的な買いが主導ではなく(大口投機玉の買い越しは歴史的ピークを下回っており、金ETF流入も限定的)、実需(中央銀行・アジア個人)が主導したもので、今後、実需の買いに加えて、投機の買いが本格的に加わってくると、史上最高値更新が続くことを示唆した。

リバランス

CME証拠金引き上げや主要な商品指数の構成銘柄が、構成銘柄の比重や対象について再調整される年次リバランスの時期を迎え、金と銀相場にはこれに関連したテクニカルな売り圧力がかかったものの、調整安は限定的。


イランでの暴動、トランプ大統領がデンマーク領グリーンランド領有への意欲を改めて示すなど、地政学的緊張は依然として高いままで、金の押し目買い基調は継続見通し。まずは12月高値を試す流れ。中期的には5000ドル目標。



【海外投資家動向(225)】

海外投資家動向と日経平均株価(週次)



【CME FED WATCH】

Fedウォッチが示すFOMCでの政策金利見通し



金ETF

金ETF買い残高(SPDR GOLD SHARES)

この記事の監修者

菊川弘之

東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社

日産証券インベストメント株式会社

取締役 菊川 弘之

NY大学留学。その間GelberGroup社、FutureTruth社などでトレーニーを経験。
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

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