白金のシーズナルトレンド | 【公式】日産証券の金投資コラム

白金のシーズナルトレンド

2023年12月18日

 

白金の季節的習性、1月、2月は金以上に上昇しやすい

 
白金玄武のシーズナルトレンド(USドル建て 1985年~2022年)
 

チャートは1985年以降のドル建て白金現物価格の年始からの騰落傾向(シーズナルトレンド)を表したものです。そして背景色を月別に1%以上上昇した月をブル(強気)として赤に、下落した月をベアとして青に、それ以外を緑に色分けしています。

 

前回紹介した金のシーズナルトレンドは、年間を通じて右肩上がりのトレンドの中、12月~2月に比較的月間上昇率が大きい(1%以上)の月が集中しているというものでした。

 

では、今回紹介する白金はどうかというと、1月、2月の上昇の勢いが金以上に大きく3月はその余勢から上昇傾向が続くものの、4月以降年末にかけては上下2%程度のボックス圏でのもみ合いが続くという傾向が読み取れます。

 

では、なぜ白金はこうした季節性が現れるのか?前回の金は主要需要国の需要が集中することをその理由に上げましたが、今回の白金については供給面の要因が大きいという説が有力です。

 
南アフリカ白金採掘
 

白金の市場規模は年間250トンほどしかなく、金の15分の1程度にすぎません。その供給の中で、鉱山生産シェアの7割、リサイクルを含めた年間供給合計の5割強を占めるのが南アフリカです。

 

例年第1四半期はその南アの鉱山がクリスマス休暇明けや夏季休暇が明けても操業が軌道に乗るのにしばらくかかり、精錬生産量が落ち込む季節になります。

 

生産シェア7割を誇る南アの精錬生産減少はそのまま世界合計の精錬生産合計にも反映されます。

 
精錬生産
 

データを遡れる1986年以降では1月と2月の月間平均騰落率合計は6%近くになり、他の月を圧倒しているほか、過去の実績ではこの期間においては金よりも高パフォーマンスになっています。

 
平均騰落率
 

金/白金レシオは2000年を底に右肩上がりの形を形成しています。これは金の方が白金よりも上昇しているということを表しています。

 

12月基準の年間のレシオの変化をみると、1986年以降、レシオが低下したのはわずか37%ですが、12月から2月までのレシオ変化をみるとレシオ低下は74%に上ります。

 

前回の金のシーズナルトレンドで紹介した通り、金にとっても(12月)、1月、2月は好パフォーマンスの季節ですが、白金はそれ以上の上昇を見せやすい季節となります。金とともに白金の動きにも注目したいですね。

 
金/白金レシオ

この記事を読んだ方にお勧めの記事

  • 初心者必見!地金とインゴットの違いについて徹底解説

  • そもそも金ってどんなもの?

  • 金と銀の価格比はどのくらいが適正なの?

他ジャンルの最新はこちら

  • スペシャル

    テクニカルからは強弱(売り買い)交錯

    NY金(6月限)は、MACでは、売りのトリガーヒットとなった。LMA(2355.9ドル)~HMA(2404.7ドル)を上値抵抗帯とした戻り売り基調入り。

  • 定期レポート

    25日に米GDP速報値 力強い伸びとなった第4四半期(+3.4%)から緩やかに減速予想。

  • 動画

    高騰する金価格、緊迫する中東情勢・為替市場の動向について解説します。


当サイトのコンテンツは情報提供を目的としており、当社取り扱い商品に関わる売買を勧誘するものではありません。内容は正確性、 完全性に万全を期してはおりますが、これを保証するものではありません。また、当資料により生じた、いかなる損失・ 損害についても当社は責任を負いません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。 当資料の一切の権利は日産証券株式会社に帰属しており、無断での複製、転送、転載を禁じます。

取引にあたっては、必ず日産証券ホームページに記載の重要事項リスク説明等をよくご確認ください。
重要な注意事項についてはこちら