金:高値更新を試す流れ|NY金(日足)・NY金(月間騰落)・CFTC建玉明細|【Monthly Report】月間展望(3月)
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2026年3月2日
~3月1日~3月31日 ~
このページで知れること(目次)
ドル円:リスク回避の円買い・ドル円(日足)・ドル円(月足)・ドル円(200日移動平均線)
金:高値更新を試す流れ 金小売価格(月足)・NY金(日足)・NY金(月間騰落)・CFTC建玉明細
3月注目スケジュール:米・イラン戦争の行方・FOMC・日銀金融政策決定会合
リスク回避の円買い・ドル買い

【今月見通し・戦略】
2月のドル円は、トランプ大統領が1月30日にケビン・ウォーシュ元FRB理事を次期議長に指名。ウォーシュ氏は過去、FRBの量的緩和(QE)やバランスシートの拡大を強く批判した経緯があり、市場が期待していたよりもタカ派的なスタンスと見なされて、ドル買いが強まって始まった。1月31日に高市首相は、「円安でもっと助かっているのが、外為特会(外国為替資金特別会計)っていうのがあるんですが、これの運用、今ほくほく状態です」と発言。「高市首相が円安を容認した」との見方や、衆議院議員選挙では、与党圧勝を織り込む格好でドル買いが強まった。
ただ、選挙後は、衆院選選挙前に高まった円売りポジションに対する巻き返しの圧力が高まったほか、消費税を巡る議論の方向性が固まるまでに時間があるとして、円売りポジションを解消する動きが進んだ。更に、「中国当局が同国の金融機関に米国債の保有を抑制するように指導した」と9日に報じられ、ドル資産離れの動きが意識された。1月開催分のFOMC議事要旨で、利上げ転換の可能性について触れる複数の参加者もいたことや、米連邦最高裁判所が20日、米トランプ政権が貿易相手国に課した相互関税などを「違憲」とする判決を下したこともあり、ドル円の上値は抑えられ、155円を中心とした±3円程度のレンジ相場が続いた。
2月末に、イランの核開発協議に伴う「地政学」という変数が加わり、米国・イラン双方の攻撃が限定的になるか否かが焦点。限定的なものであれば、リスク回避の動きも限定的となるが、長期化・インフレ圧力が高まってくると、地政学リスクに市場の関心が向き、悪い円安が意識される流れとなる。
~ドル円(日足)・ドル円(月足)・ドル円200日MA~
【ドル円(日足)】

【ドル円(月足)】

【ドル円(日足)200日度移動平均線】

高値更新を試す流れ

【今月見通し・戦略】
米国とイスラエルは2月28日、イランへ「エピック・フューリー=壮絶な怒り」作戦を開始した。イランの最高指導者ハメネイ師が死亡、トランプ大統領は「イランは核の野心を放棄するあらゆる機会を拒絶した。容認できない」「イラン政権からの差し迫った脅威を排除し、米国民を守る」と語った。
イランは即日、報復攻撃に出た。国営メディアによると、イラン革命防衛隊はアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン、カタールの米軍基地を攻撃したと発表。イランがどの程度の反撃能力を持ち、現段階で行使する意思があるかが焦点だ。
イラン海軍は、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の航行禁止を通告した。同海峡が事実上封鎖された格好だが、機雷の無差別散布や自爆ドローン艇による攻撃などで物理的に封鎖された訳ではないことに注意。同海峡を使って原油を輸出しているのは、イランだけではなく、イラク、サウジ、UAE、オマーン、カタールなどの湾岸諸国も貿易で使用しており、これらアラブ諸国や、同エリアから原油等を輸入しているインド・中国・日本・欧州なを全て、敵に回すような愚策を、次期指導者は採らないと、週明けのマーケットは見ている反応。
トランプ政権と次期指導者間で交渉が進むと、「原油安」→「インフレ鎮静化」→「米利下げ観測の高まり」→「金上昇」というのがメインシナリオだ。2025年の米軍によるイラン攻撃時も、「有事の金買い」は、反応は限定的。足元の金上昇は、米覇権・ドル基軸通貨体制の揺らぎと言う大きなテーマの中、中間選挙に向けた米利下げ圧力や、バラマキ期待によるリスクオン期待や、G2体制の着地点が見えない不安感のウェイトが高い。金相場は急速に上がるか、ゆっくりと上がるかの違いで、調整を入れながら高値更新していくと見る。心理的節目5500ドル~1月高値、N=5575.5ドル、E=5865.8ドルなどを試す流れとなるだろう。大口投機玉の買い整理は進んでおり、新たに買い増ししやすい地合いだ。
~NY金(日足)・NY金(月間騰落)・CFTC建玉明~
【NY金(日足)】

【NY金月間騰落】

【CFTC建玉明細】

3月注目スケジュール:
米・イラン戦争の行方・FOMC・日銀金融政策決定会合

・米雇用統計
ウォラーFRB理事が2月も堅調なら3月FOMC「据え置き」支持を示唆
・氷見野日銀副総裁
植田総裁は利上げ前向き姿勢、高田委員は政策遅れリスク指摘
・米・イラン戦争
短期終息の有無
・中国全人代
第14期全人代第4回会議として開かれ、2026年〜2030年の中期的経済目標となる「第15次5カ年計画」の決定や、
2026年の成長目標(「4.5〜5%」への引き下げ観測)の発表、不動産不況対策などが主な焦点。
今年も成長率目標「5%前後」か、米中摩擦で4.5%~5.0%設定予想も
・片山財務相と植田日銀総裁フィンテックイベント出席
金融経済発言は期待薄
この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

