金:5000ドルを中心とした保合い放れ待ち|【Weekly Report】週間予定
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2026年2月23日
週間展望(2/23~2/28)
このページで知れること(目次)
週間予定:米イラン協議・FRB高官講演・エヌビデア決算
前週トッピクス:施政方針演説(高市首相)
ドル円:米軍による限定的攻撃の可能性が高まる時間帯
金:5000ドルを中心とした保合い放れ待ち
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:米イラン協議・FRB高官講演・エヌビデア決算

・一般教書
経済について語る意向。民主党議員約12人がボイコット予定。
・米・イラン核開発協議
オマーンの仲介でスイスで開催。まとまらないと、米軍による限定的攻撃の可能性高まる
・東京消費者物価指数
物価高対策によりコアCPIが1年半ぶり2%割れ見通し
・高田日銀委員講演
1月会合で1人だけ据え置きに反対、1%への利上げ主張
・FRB高官講演
FOMC議事録で複数メンバーが利上げの可能性に言及。
・米決算
エヌビデア:市場予想を上回れば半導体製造装置や半導体向け関連株には追い風。
セールスフォース:AIによる業務代替懸念で売られ、株価は昨年末比3割安に沈む。
・中国春節
過去最多95億人移動、政府は休みを昨年より1日多く設定。23日まで休場。
前週トッピクス:施政方針演説(高市首相)
【施政方針演説】


高市早苗首相は20日、衆参両院の本会議で施政方針演説に臨んだ。日本の国力強化に向けて「責任ある積極財政」を踏まえて官民投資を促進すると訴えた。「野放図な財政政策をとるわけではない」とも強調し、市場の信認を確保すると語った。2年間に限った食料品の消費税率ゼロ実現へ検討を加速すると表明した。
食料品にかかる消費税は給付付き税額控除の仕組みができるまでの経過措置として減税する姿勢を示した。「超党派の『国民会議』で夏前には中間とりまとめをして税制改正関連法案の早期提出を目指す」と説いた。
施政方針演説は1年間の政府方針を示すもので、首相は演説時間の約半分を経済力の強化に関する説明に充てた。「圧倒的に足りないのは国内投資だ。徹底的なてこ入れをする」と指摘した。「投資」という言葉を24回用いて官民を挙げた積極投資の必要性を唱えた。
高市政権は半導体や人工知能(AI)、造船など戦略17分野への「成長・危機管理投資」を看板政策に据える。また、複数年度予算の活用や基金の強化などを想定する。民間企業が大型投資をしやすくするため、当初予算で十分な額を確保して予見可能性を高める予算編成の仕組みを導入する。
ドル円:米軍による限定的攻撃の可能性が高まる時間帯
【今週見通し・戦略】

ドル円は、1月の米CPIは前年同月と比べた上昇率が2.4%と、2025年12月(2.7%)から鈍化し、市場予想(2.5%)を下回った。インフレ減速の兆しがみられ、米利下げ観測が再度高まり、日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りを誘った。
高市首相は18日の記者会見で、「政策転換の本丸は責任ある積極財政だ」などと述べた。衆院選後に急速に進んだ円買い・ドル売りを調整する動きも続いた。
更に、FRBのミラン理事は、19日にニュースレター配信サービス「サブスタック」に公開されたインタビューで、最近の雇用関連指標は米労働市場が想定していた以上の底堅さを保っていることを示していると発言。一方、財のインフレは根強いようにみえるとの見方を示した。昨年12月に考えていたほどFRBは大幅利下げをするべきではないと考えているという。
FOMC議事録
1月開催分のFOMC議事要旨では、今後の金融政策の方向性について意見が分かれていることが明らかになった。利上げ転換の可能性について触れる複数の参加者もいた。FRBが今後の利下げに慎重な姿勢を取る可能性が意識され、円売り・ドル買いが進み、心理的節目155円台を回復した。
前週末、米連邦最高裁判所が20日、米トランプ政権が貿易相手国に課した相互関税などを「違憲」とする判決を下した。売り買いが交錯し、方向感に欠ける展開だった。発表が遅れていた最高裁の判断は予想通りで、ある程度織り込み済みだった反応。
また、イランの核開発協議に伴う「地政学」という変数が加わり、155円が下値支持に変化するのか(150-160円レンジ)、上値抵抗として機能するのか(150-155円レンジ)の見極め段階。
2月末~3月初旬が、米軍による限定的攻撃の可能性が高まる時間帯。
金:5000ドルを中心とした保合い放れ待ち
【今週見通し・戦略】

NY金(4月限)は、5000ドルを中心とした三角保合い形成中。CFTC建玉明細では、膨れ上がっていた大口投機玉の買いポジションも整理され、改めて買い直されやすい地合い。
米WSJは19日、トランプ大統領が規模を限定したイランへの軍事攻撃を検討していると報じた。トランプ政権はイランの姿勢を睨み、様々なシナリオを協議しているとみられる。トランプ氏は攻撃の是非を判断する期限について「10日か15日。かなり長くてもそれくらいが限界だ」と話した。米軍はすでに原子力空母エーブラハム・リンカーンを中心とする打撃群を中東に展開。トランプ氏は原子力空母ジェラルド・フォードを中核とする打撃群の追加派遣を指示した。米軍は2隻の空母のほか、数百機の戦闘機や複数の防空システムを中東地域で展開する計画。2003年のイラク侵攻以来、最大規模の軍事集結になる。
全面戦争の可能性は低い
ただし、中間選挙に向けてトランプ大統領は、泥沼化する可能性の高いイランの体制転覆を望まず、地上軍の侵攻を伴う全面戦争(政権転覆)の可能性は、限りなく低い。一方、原油高に伴うインフレは米利下げを行うために、避けたいと思われるが、トランプ大統領には「米国が圧倒的な武力を行使しても、イラン側は体制崩壊(全面戦争)を恐れて反撃を限定的なものにとどめた」という過去(ソレイマニ司令官暗殺時等)の成功体験があり、イラン本土の核関連施設やイスラム革命防衛隊(IRGC)重要拠点に対する限定空爆の可能性は残ったままだ。
攻撃が限定的なら原油高は一時的(メインシナリオ)。2025年の米国による「真夜中の鉄槌作戦」では、NY原油は70ドル台まで上値を伸ばしたが、攻撃実施が「天井」となり、「知ったら終い」で急反落となった。NY金は、2025年攻撃時には、ほとんど反応しなかった。一方、ホルムズ海峡封鎖などになれば、金・原油は暴騰となる(サブシナリオ:確率は低い)。
メインシナリオになった場合は、緩やかに金の上昇トレンド再開となる。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

