金:調整局面終了|金価格と米債務残高・NY金・米政府機関閉鎖前後の値動き|【Monthly Report】月間展望(12月) | 【公式】日産証券の金投資コラム

金:調整局面終了|金価格と米債務残高・NY金・米政府機関閉鎖前後の値動き|【Monthly Report】月間展望(12月)

NSトレーディング 菊川弘之
2025年12月1日

~12月1日~12月31日 ~

日銀利上げと合わせた本邦当局の介入姿勢に注目

12月騰落率(ドル円)

【今月見通し・戦略】

11月のドル円は、米連邦政府機関の一部閉鎖の解除となったことに加え、高市早苗政権が拡張的な財政政策を打ち出したことや、米連邦準備理事会(FRB)の複数の高官から12月9~10日開催のFOMCで利下げを支持する発言があったことから円売りドル買いが先行した。


ただし、トランプ政権の相互関税などの合憲性を巡る訴訟で米連邦最高裁が開いた口頭弁論で、一部保守派の判事が関税発動に懐疑的な見方を示したと伝わった。トランプ政権が敗訴した場合には関税の払い戻しや税収減で米財政赤字が増え、米長期金利の上昇要因となる可能性も意識され、157円台を付けた後は戻りを売られた。


ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が利下げを示唆した後で利下げ観測が一段と強まり、米債券市場では長期金利の指標である10年債利回りが低下(債券価格は上昇)。日米金利差縮小や、日本政府・日銀による円買い介入への警戒も意識され、月末にかけて、円高ドル安の流れとなった。


「フェドウオッチ」によると、12月に政策金利を0.25%引き下げる確率は28日時点でおよそ87%。日米金利差縮小観測が円買い・ドル売り要因。


FOMCでは利下げ・日銀金融政策決定では利上げが意識されているが、日銀の利上げに合わせて、本邦当局が介入を実施するか否かが注目。155円を割り込んでくると、150-155円レンジ入り。



~ドル円(乖離率)・FED WATCH・ドル円(日足)~


【ドル円(乖離率)】

ドル円(日足)200日移動平均線乖離率


【FED WATCH】

ド12月FOMCまでの利下げ確率


【ドル円(日足)200日度移動平均線】

ドル円(日足)200日移動平均線



金:調整局面終了
金価格と米債務残高・NY金・米政府機関閉鎖前後の値動き

12月騰落率(NY金)

【今月見通し・戦略】

NY金(2月限)は、複数のFRB高官から、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを支持する発言が相次いでおり、買われる流れが続いている。「ハト派」寄りのハセット国家経済会議(NEC)委員長が次期FRB議長の最有力候補と伝わった。


ドイツ銀行は2026年の金価格見通しを中央銀行の金需要などを理由に従来予想(4000ドル)から4450ドルに上方修正した。


ゴールドマン・サックスは17日付リポートで、中国が9月に準備資産として15トンの金を買い入れた可能性があると分析したと報道。ゴールドマンは2026年末までに金価格が4900ドルに達すると予想している。


心理的節目4000ドル~価格帯別出来高の厚いネックライン(10/31高値:4090.8ドル)水準が下値支持帯として認識が高まってきた。 中国では公的買いだけでなく、ETF購入も増加している。11月13日高値(4285.6ドル)を上抜くと、三角保合い上放れとなる。その意場合の一目均衡表からの上値目標は、N=4385.2ドル、V=4538.4ドル、E=4638ドルなどがカウント可能。


ロシアへの経済制裁以降、ドル資産離れに伴う中央銀行の金買いが、金価格の史上最高値更新の一因となったが、法定通貨などに価値が連動するステーブルコインの発行企業が、新たな大口の買い手として浮上している。米投資銀行ジェフリーズは20日付リポートでステーブルコイン発行最大手テザーが7~9月期に24トン購入したと試算した。同時期、中銀で最大の買い入れ額だったカザフスタン中銀(18トン)を上回った。トランプ政権下になってから、暗号通貨への規制も次々と解除されており、各国の中央銀行と同じく、値段に関係なく一定割合を保有する長期の買いが増加することは、金ETFが登場してきた時と同じようなインパクトを金市場に与えそうだ。



~中国金ETF・NY金・ステーブルコイン買い~


【金価格と米国政府債務】

忠僕の金ETFの月次フローと月末残高


【NY金(12月限)200日移動平均線】

NY金(2月限)


【ステーブルコイン】

2025年7月~9月期の金購入量



12月注目スケジュール:
FOMC・日銀金融政策決定会合・ロシア・ウクライナ和平協議

12月注目スケジュール


・米FOMC

 追加利下げ観測高まる


・日銀金融政策決定会合

 利上げ観測高まりつつある


・ECB理事会

 現状維持がコンセンサス


・ロシア・ウクライナ和平協議

 ゼレンスキー側近解任で、和平協議進展期待

 実現なら原油安・米追加利下げ観測の高まりからリスクオンへ


・日中対立

 激化懸念は一服も長期化か

この記事の監修者

菊川弘之

東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社

日産証券インベストメント株式会社

取締役 菊川 弘之

NY大学留学。その間GelberGroup社、FutureTruth社などでトレーニーを経験。
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

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