円安で高騰!金投資は実際儲かるのかを徹底検証
この記事は2022年6月30日に掲載されたものです。ご注意ください。
2022年6月現在、円安で金価格が高騰し、金投資が注目を浴びています。今、金を買って、実際に儲かるのでしょうか?結論から言うと、金投資で儲けることは可能です。少額から投資できる純金積立を例に、金投資についてシミュレーションしました。また、金投資の注意点や、売るタイミングについてもまとめました。
円安で上がる金の価格
2022年6月現在、急激な円安により金価格は高騰しています。2020年のコロナ禍により、「有事の金」と呼ばれる金の価格は上昇、一時期は「金はこれから値下がりするから売却したほうがいい」とも言われましたが、2022年のウクライナ危機及び円安で、金地金などの金投資の人気が急上昇し、今後はまだまだ値上がりする可能性があります。
現物資産で、どんな時代や地域においても一定の価値を有する金は、世界情勢が不安定になった時に買われる傾向があります。また、世界的なインフレ傾向も金価格上昇の追い風になっています。インフレの際はお金の価値が低く、物の価値が高くなりますが、金は物であるため、価値が高まるのです。
結論、金投資で儲けることは可能
結論として、金は今後も値上がりする要素はあっても、値下がりする要素は少ないため、価格が高騰している現在購入しても、投資方法や保有期間次第でもうけを得ることは可能です。
例えば、2017年に平均的な金価格の約450万円で100グラムの金現物を購入した人は、2021年には同じく平均的な価格の約640万円で金を売却したとして、差し引き190万円の儲けを得られた可能性があります。
マンションオーナーのように、銀行からお金を借りてまとまった資産を用意する必要がある投資方法とは違い、ご自身の資産状況に見合った金額から始められ、かつ、上記のように数年程度の期間でも、十分な利益が出せる可能性があります。
少額から金投資を始めたい方には、純金積立がおすすめです。毎月一定金額の金を購入すると、金価格が高い時は少量の購入となり、金価格が安い時は多く買うことになります。この買い方は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、長期的に続けることで短期的な金相場の上下の振り幅を平均化することができ、リスクを抑えることができます。
金ETF(上場投資信託)も、少額から始められる投資方法です。ETFとは「Exchange Traded Fund」の略称で、複数の企業に投資できる投資商品です。金ETFは金価格と連動しており、株式のようにリアルタイムで取引が可能なので、株式投資の経験がある人にお勧めです。
金投資のシミュレーション
純金積立の場合、例えば、2020年1月から金の購入を月6,000円、月額手数料250円ではじめたとすると、2年6か月で約25グラムの金を購入することができます。これを2022年6月に売却すると、約21万6,500円となり、平均購入単価から売却単価を差し引いた損益は約2万9,000円、年利換算で15%の儲けとなります。銀行に預けるよりもずっと良い利率ですね。
純金積立の注意点としては、毎月の手数料がかかります。上記シミュレーションでは、2年半で7,500円の手数料がかかっており、これを抑えるためには、証券会社の純金積立を選ばれることをお勧めします。貴金属メーカーや銀行などの純金積立に比べ、手数料等が割安というメリットがあるためです。
例えば、日産証券のタートルプランなら、金は大阪取引所の期近価格の終値にグラムあたり15円を加算した価格で買い付けをしています。また、月額3,000円から1,000円単位で積立が可能なので、お小遣い程度の金額から気軽に積立ができるのです。
注意が必要な点
金投資最大のデメリットは、保有しているだけでは利子がつかず、配当もないところです。購入時点の価格と売却する際の価格の差額で儲ける投資商品のため、売らないかぎり利益も出ません。
景気が良く、世界経済に大きな不安要因もない場合は、金投資以外の金融商品を選択したほうが効率よく儲けられるでしょう。
ただし、金の産出量は限られており、工業製品としての利用価値も高いため、今後も大きく価値が目減りすることは考えにくいです。
円安時に売却するのが鉄則
金の価格は円安の時に上昇します。その理由は、基本的に金は米ドル建てで取引されており、日本における金の購入・売却の際も、一度ドルに交換して取引が行われるからです。したがって、日本で取引する場合、円が安い時ほど金が高くなる関係があり、円安は金を売却してもうけを稼ぐタイミングです。売却の際は、基本的には、金を購入した業者に価値を査定してもらうのが良いでしよう。
金価格はまだ上がるのか
今後、ロシアのウクライナ侵攻が停戦を迎え、コロナによるパンデミックも落ち着くなどすれば、金価格も緩やかに低下する可能性があります。
しかし、ロシアの軍事行動をきっかけに世界情勢が不安定となったり、コロナの強力な変異種が現れたり、異常気象によって新たな感染症が流行ったりすれば、金価格は今後も引き続き上昇していくでしょう。
金投資の良いところは、金現物は家にしまいっぱなしでも価値が劣化しないところです。30年たってから思い出して売っても全く問題ありません。子供や孫へのプレゼントにも最適です。