WPIC白金四半期報告2026Q2 | 【公式】日産証券の金投資コラム

WPIC白金四半期報告2026Q2

2026年10月5日

 

2026年見通し・Q2’26レビュー

 
 
Q2’26の白金市場は供給1,906koz(59.3t)(前年比+1%)に対し需要1,663koz(51.7t)(同▲16%)となり、244koz(7.6t)の供給超過を記録。H1’26累計では548koz(17.0t)の供給超過が確定した一方、H2’26は投資需要の正常化に伴う需要回復(H1比+24%の3,931koz(122.3t)見込み)で283koz(8.8t)の需要超過に転じる見通しで、通期では265koz(8.2t)の供給超過(前回予測は297koz(9.2t)の需要超過)へ大幅に上方修正された。上方修正の主因は投資需要見通しの601koz(18.7t)下方修正(=ネット売り越し縮小の裏返し)であり、実物需給が締まったわけではない点には留意が必要。

白金 需給バランス(2015-2026f)[単に:トン]
白金需給バランス(2015-2026f)前回との比較[単に:トン]

 
供給は7,353koz(228.7t)(+2%)で、鉱山供給は5,551koz(172.7t)とほぼ横ばい、リサイクルが1,802koz(56.0t)(+8%)と伸びを牽引。需要は7,089koz(220.5t)(▲18%)で、自動車2,904koz(90.3t)(▲4%)、宝飾1,883koz(58.6t)(▲15%、中国の落ち込みが中心)が減少する一方、工業用は2,385koz(74.2t)(+5%)と底堅い。ガラス(+23%)、電気(+19%、AI・データセンター向けHDD/半導体需要)、化学(+9%)、水素(+8%)が伸び、石油(▲28%、中東情勢による精製活動の落ち込み)が押し下げ要因。AI関連需要(電気・ガラス)が構造的な下支え役として定着しつつある点は注目点。
 
 
ここにもプラチナが活躍しているよ
 
 
白金用途別グロス需要(2015-2026f)[単に:トン]
白金需給バランス(2015-2026f)[単に:トン]
 
投資需要が2026年の最大の振れ要因。2025年の純流入+1,152koz(35.8t)から一転、2026年は純流出83koz(2.6t)へ悪化見込み(地金・コイン313koz(9.7t)▲22%、ETF▲389koz(12.1t)、取引所在庫▲112koz(3.5t))。H1’26だけで純流出392koz(12.2t)(うちETF▲534koz(16.6t))に達しており、価格は年初来高値2,875ドル/ozから46%下落、リース料も10%超から5%割れ(足元は約2%)まで低下した。背景は米国の金利観測上昇と地政学リスク(米イラン・ホルムズ海峡)によるインフレ懸念。ただしH2’26以降は円安是正や米財務省の債務買い戻しを材料に投資需要の持ち直しが見込まれており、これが実現するかが下期の価格・需給両面での焦点となる。
 
地上在庫は2025年末1,745koz(54.3t)から2026年末には2,010koz(62.5t)まで回復する見込み(2022年以来初の増加)。ただし2022年のピーク(5,084koz(158.1t))対比では大幅に低い水準にとどまり、需要の約3.4ヶ月分と歴史的に見てなお逼迫した状態が続く。したがって、供給トラブルや需要の上振れに対する価格の感応度は引き続き高いとみられる。
 
白金地上在庫(2015-2026f)[単に:トン]
 
価格・金との対比では、H1’26は金・銀・白金とも投資資金の巻き戻し(ETF処分・地金コイン減少)で軟調に推移した点が共通するが、レポートは金を「debasement trade」の主役、白金を2023〜2025年の3年連続大幅需要超過による実需給タイト化を背景とした「高ベータの金プロキシ」と位置付けている。H1’26の投資主導の下押しは一時的な資金要因であり、実物需給のタイトさ自体は変わっていないため、H2’26の需要超過転換や地上在庫の低水準を踏まえると、金の動き次第では白金がアウトパフォームしやすい局面が想定される、というのがWPICの基本認識。
 
白金供給内訳(2026年予測)[単に:トン]
白金需要内訳(2026年予測)[単に:トン]

この記事を読んだ方にお勧めの記事

  • 銀相場レポート

  • 世界のATM日本が終わる日

  • WPIC「Platinum Quarterly(2026年Q1)」

他ジャンルの最新はこちら

  • スペシャル

    金相場、フラクタル(自己相似)

    金相場を長期スタンスで観測すると、70年代安値から80年代の当時の史上最高値を更新した流れと、自己相似の強いフラクタルな流れが確認できる。

  • 定期レポート

    植田日銀総裁発言、追加利上げに前向き姿勢示さなければ円安圧力継続・高市首相演説 食料品消費減税法案が焦点、市場は積極財政路線警戒

  • 動画

    金相場、中国休場・米金利上昇観測で売られた安値は買い場【アジアレポート】



当サイトのコンテンツは情報提供を目的としており、当社取り扱い商品に関わる売買を勧誘するものではありません。内容は正確性、 完全性に万全を期してはおりますが、これを保証するものではありません。また、当資料により生じた、いかなる損失・ 損害についても当社は責任を負いません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。 当資料の一切の権利は日産証券株式会社に帰属しており、無断での複製、転送、転載を禁じます。

取引にあたっては、必ず日産証券ホームページに記載の重要事項、リスク説明等をよくご確認ください。
重要な注意事項についてはこちら