金ETF資金流入は価格高騰下でも拡大、2026年は過去最大ペース

世界の金ETFへの資金流入が再び大きく拡大している。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータを基にした集計によれば、2025年の年間流入額は約890億ドルと大幅なプラスとなり、2020年以来の高水準となった。さらに2026年は年初から資金流入の勢いが強く、1〜2月の実績約240億ドルを単純年換算すると約1380億ドルに達する計算となり、過去最高を更新するペースとなっている。

金ETFの資金フローは2020年、新型コロナ危機に伴う金融緩和と市場不安を背景に急増した。しかしその後は米国の利上げ局面に入り、2021年から2024年にかけては資金流出または低迷が続いた。特に2023年から2024年前半にかけては実質金利の上昇が重しとなり、ETF資金はむしろ減少する場面も多かった。
こうした流れが大きく転換したのが2025年である。世界的な金価格の上昇が続くなかでETFへの資金流入も同時に拡大し、価格上昇にもかかわらず投資資金が流入するという、いわば「順張り型」の資金フローが形成されている。これは従来の金市場で見られた「価格上昇=利益確定売りによるETF流出」という構図とは対照的であり、市場構造の変化を示唆するものといえる。
背景として考えられるのは、中央銀行による金購入の継続に加え、地政学リスクの高まりや財政不安を背景とした安全資産需要の構造的な強まりである。さらに米国債市場のボラティリティ上昇や実質金利の先行き不透明感も、機関投資家のポートフォリオにおける金の位置づけを高めているとみられる。

特にETFは機関投資家にとって最も流動性の高い金投資手段であり、資金フローの変化は投資マネーの動向を映す重要な指標となる。2026年の流入ペースがこのまま維持されれば、2020年の危機時の流入規模を大きく上回る可能性もある。
価格上昇局面で資金流入が拡大している現状は、金市場が単なるリスク回避資産から、長期的な戦略資産として再評価されつつあることを示している可能性がある。今後もETF資金フローは、金相場の中長期トレンドを占ううえで重要な指標となりそうだ。

