第2回 金投資のいろいろ | 【公式】日産証券の金投資コラム

実際に金に投資する場合には様々な形態があります。ここではそれぞれの金投資の方法をみていきましょう。

金地金&地金型コイン

金投資と聞いて、まず思い浮かぶのが現物の購入ではないでしょうか?
世界の2大金消費国は中国とインド。中国では、春節(旧正月)前に贈答品や自分用の金装飾品を購入する慣習があり、干支にちなんだ金貨や装飾品が発売されたりします。インドでは11月~2月の婚礼シーズンにあたり、花嫁が身に着け、魔除けの目的で金装飾品を購入する慣習があります。これには持参金の意味合いもあり同国富裕層の間ではどれだけ高額の金を持たせたかが一つのステータスになります。
この時期、これらの国では国内金価格が国際相場を上回る(プレミアム)こともしばしばあります。「わざわざ高い時期に買わなくても」と思われるかもしれませんが、購入者は将来のために中長期的に長く保有することを前提にしています。貯蓄大国と言われる日本でも、長く低金利時代が続く中で金投資に脚光が集まってきましたが、現物投資はやはり中長期的スタンスで資産保全を目的とする方に適しているといえるでしょう。

金現物購入を考える際、また売却を考えても、まず注意しなくてはならないのがその品質。国内銘柄では一般社団法人日本金地金流通協会正会員のブランド、海外銘柄ではLBMA( ロンドン地金市場協会)認定のブランドの地金を購入することが安心でしょう。一般社団法人日本金地金流通協会正会員はLBMAの認定を受けているところも多いようです。

また、地金の購入・売却を考える時、どの業者でも価格は同じとイメージされる方は多いと思いますが、実際は同じブランドであっても金の形状や取扱業者によって価格は違っています。それは業者それぞれの諸経費やコストに違いがあるからです。(参考)

(参考)地金商の金価格(1gあたり税込)
田中貴金属工業㈱ 三菱マテリアル㈱ 日本マテリアル㈱ 日産証券㈱
店頭小売価格 7,395円 7,400円 7,395円 7,388円
店頭買取価格 7,286円 7,389円 7,286円 7,311円
2021/6/8
9:30公表
2021/6/8 10:00公表

また、現物投資として金地金に比べより小分けして購入したいという方には、コインでの購入も人気です。毎日の金価格に連動する地金型コインとしては、オーストリアの「ウィーン金貨ハーモニー」やカナダの「メープルリーフ金貨」、アメリカの「イーグルコイン金貨」などが有名です。コインには地金型コインのほかに、記念金貨などの収集型(プレミアム)金貨もあります。こちらの場合は鋳造コストなど地金型コインと同様のコストのほかに、その希少性やデザインにより付加価値が変動します。

純金積み立て

 毎月一定額分の金を買うという形態で1000円~3000円から始められ、手軽に参加しやすいと言えます。毎月一定額を購入し続ける形で投資していくため、金価格が安い時は多く、価格が高い時は少なく購入することとなりますので、毎月一定量を購入するよりも購入平均価格を低くする効果があります(ドルコスト平均法)。
現物は取り扱い会社が保管する形になりますので実物を手元に置くということはできませんが、一定の量が貯まると取り扱い会社によっては金地金・金貨・宝飾品に交換できます。口座管理料や購入手数料がかかるので売買コストは割高です。

金鉱株

 金鉱山を保有する会社の株式を購入することで、金価格の上昇益を享受しようとするものです。金価格が上昇すれば金鉱株式会社の保有する資産価値、販売価格も上昇するという考え方です。但し、あくまでも個別企業株式への投資なので、その企業の決算や配当の動向、また金鉱山といえども金だけではなく、銅や鉛など他の鉱物も産出するため、他の資源価格の動向などにも株価は影響を受けるため、金価格との連動性は金関連投資の中では低い部類に入るでしょう。

金ETF

金価格に連動するように設計された上場投資信託です。カストディアンと呼ばれる保管管理会社がETF発行量に応じてそれに見合う数量の金の現物を保管します。従来の金投資における諸問題(保管や受け渡しの煩わしさ)を解決し、2003年に豪州で第一号が誕生しました。上場株式と同じ取り扱いになるため、企業や機関投資家も参入しやすく、現在ではこうした資金も大量に流入していることで、結果金価格にも大きな影響を与える存在となっています。2020年末現在では世界全体での金ETF及び類似商品の総残高は3700トンを超え、これは世界各国の中央銀行が準備資産として保有する金の量と比較すると、米国の8133トンに次いで、世界第2位の規模となります(第3位はドイツの3362トン)。
又、株式と同様に信用取引が可能であり、価格下落予想の場合は売りから入り下落局面も利益機会とする事やお手持ちの地金の一時的なヘッジとして活用する戦略もあるでしょう。

世界最大の金ETF(SPDR GOLD SHARE)

金先物取引

大阪取引所に上場されている金地金を対象としたレバレッジ型の商品です。
証拠金による差金決済取引ですので資金効率に優れていることが魅力です。大きな利益を狙える分損失も大きくなる可能性のあるハイリスクハイリターンな取引と言えます。希望すれば現物の受渡しも可能(1kg単位)です。期限が最長1年のため短期志向の方に向いています。

金CFD取引

CFD取引とはContract for Differenceの略であり、対象商品の価格差(Difference=差金決済)のみを目的とした取引です。現在、株や外国為替、商品など様々なCFDが取引されています。先物取引は公設取引所に上場された取引所取引が中心なのに対し、CFD取引は外国為替の銀行間取引や業者間取引を指標対象とする店頭取引も多く、平日24時間、日本の祝祭日でも取引可能なものもあります。先物取引同様に証拠金取引という、少ない資金で大きな取引が可能という資金効率性は良さが魅力ではありますが、相場が思惑と逆に動いた場合は、ストップロスという強制決済になる場合もあります。
先物取引やCFD取引はデリバティブ取引と呼ばれ、現物の取引から派生した取引です。


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