5 月の株価波乱は金の絶好の買い場

5月の株価波乱は金の絶好の買い場

(相場研究家) 市岡 繁男
2021年4月20日

 
昨年度の日経平均株価は前年比62%増と戦後3 番目の上昇率となった。興味深いことに、その上昇パターンは2005年4月以降の株価とよく似ている。実際、両者の相関係数は0・96 ときわめて高水準だ。
もし仮に株価が今後も15 年前と同じ推移を辿るとしたら、次のイメージとなる(図1)。

【図1】2005年3月~2009年3月の株価と対比
(2005/4/18の株価10938円を2020/5/1の株価19619円に換算し重ねたもの)
「株価÷商品相場」と 「財政収支÷名目GDP」出所:ブルームバーグ

まず4月下旬に31500円で目先の高値をつけた後、6月末までに2割下落する。その後、8月頃から再び上昇し来年前半には高値を更新、32000円台になる。だがそこが大天井となって7月頃から急落、23年末には12000円に沈むという波瀾万丈の展開だ。
では、図1の予測図のもとになった2000年代前半の政治経済は一体どんな状況だったのだろうか。この時の世界情勢はITバブル崩壊や911テロの影響で低迷しており、日経平均株価も1万円を割り込む状況だった。
その後さらに第二次湾岸戦争が勃発し、それがだめ押しとなって株価は連日、最安値を更新し、03年4月には7600円台に落ち込んでしまった。
こうした中、日銀は01年3月から実施していた世界初の量的金融緩和政策(QE)の上限を拡大し、株価の下支えに腐心する。その効果が表れたのは主に05年5月からで、1㌦105円でドル円が底打ちしたことをきっかけに、株価は11千円台から17千円台に急騰した。だが日銀は06年4月、物価が目標に達したことを理由にQEを停止。その途端に株価が急落したのだった。なかでも小型株の打撃は大きく、年初のライブドアショックも相まって東証2部などは半端でない下がり方となった(図2)。

【図2】2000年代の日銀当座預金残高と株価(株価:2001年1月5日=100)「株価÷商品相場」と 「財政収支÷名目GDP」出所:日銀・ブルームバーグ

翻っていま、米連邦準備制度理事会(FRB)は予想外の景気回復に直面し、QE拡大ペースの見直しを迫られる可能性がある。その場合は15年前と同様、中央銀行発の株価下落となるだろう。しかし、そこは内外株式、および金の絶好の買い場となると思う。なぜなら株価が下がれば、各国中央銀行は再び量的緩和を余儀なくされるからだ。
そして、その場合に最も妙味があるのはインフレに強い金である。15年前の局面でも、2006年6月に615㌦だった金価格は2年後の08年6月に933㌦になっているのだ。

相場研究家市岡 繁男(いちおか しげお)氏
市岡 繁男(いちおか しげお)氏

1958年、北海道生まれ。
81年一橋大卒、住友信託銀行入社。支店や調査部を経て、87年から資産運用部門で勤務。
1996年に同社を退職後は長銀、あさひ銀行、ロスチャイルド投資顧問、日本興亜損保、富国生命、中前国際経済研究所で内外債券、株式、為替の運用や調査研究業務を務めた。
2018年に独立し、現在は財団等の投資アドバイザーを務める。
週刊エコノミスト、日経ビジネスなどへの執筆多数。