金:2300-2400ドルレンジ上放れ|【Weekly Report】週間予定
2024年7月16日
週間展望(7/15~7/21)
このページで知れること(目次)
週間予定:第20期中央委員会第3回総会(3中総会)・ECB理事会
前週:米CPI・PPI
ドル円:CPIに合わせた覆面介入で調整入り
金:2300-2400ドルレンジ上放れ
【米ミシガン大学消費者信頼感指数】
【米ミシガン大学期待インフレ率】
金ETF
週間予定:第20期中央委員会第3回総会(3中総会)・ECB理事会
・第20期中央委員会第3回総会(3中総会) 大規模な景気支援策は期待できないか
・中国GDP、6月新築住宅価格・中古住宅価格、不動産投資、小売売上高、鉱工業生産が発表
・米共和党全国大会
・パウエルFRB議長とウォラーFRB理事、ボウマンFRB理事らが講演 週末からブラックアウト期間入り
・6月英消費者物価指数 前年比2.0%大台を割り込むか注目、物価統計弱ければ8月利下げは確実か
・ECB理事会 追加利下げは9月以降との見方が多い。
前週:米CPI・PPI
【米CPI・PPI】
米労働省が11日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前月比でマイナス0.1%と予想外に下落した。前月比でマイナスになるのは2020年5月以来約4年ぶり。
ディスインフレが確実に軌道に戻ったことが示され、連邦準備理事会(FRB)の9月の利下げ観測が高まった。
前年比では3.0%上昇。伸びは5月の3.3%から鈍化し、23年6月以来最小となった。
6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と、市場予想(0.1%上昇)を上回った。
ただ、前日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が重視する米個人消費支出(PCE)物価指数もインフレ鈍化を示すとの見方が多く、9月の利下げ確率は上昇している。
ドル円:CPIに合わせた覆面介入で調整入り
【今週見通し・戦略】
先週のドル円は、6月の米雇用統計を受けて米長期金利が低下。労働市場の需給緩和を示したと受け止められ、米利下げ観測が強まった流れに続き、6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米利下げ観測の高まりから短時間で4円程度の円高・ドル安が進んだ。
覆面介入?
このCPI発表に合わせて、市場では政府・日銀が円買い・ドル売り介入に踏み切ったとの観測が浮上した。日銀が為替介入の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を対ユーロで実施したことも分かった。
財務省の神田真人財務官は13日未明、介入やレートチェックについて「申し上げることはない」と財務省内で記者団の取材に答えたが、市場では11日、12日と連日で為替介入に踏み切ったとの見方が浮上している。日銀が12日に公表した16日の当座預金残高の見通しから、11日夜に3兆~4兆円規模の円買い介入があったと推測されている。
ミシガン大学が12日に発表した7月の消費者信頼感指数(速報値)は、66.0と8ヶ月ぶりの低水準となり、市場予想(68.5)に反して前月から悪化。1年先の予想インフレ率は2.9%と前月(3.0%)から低下。米国のインフレ鈍化や景気の減速感が意識された。6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と、市場予想(0.1%上昇)を上回った。ただ、前日発表の米CPIは市場予想を下回り、FRBが重視する米個人消費支出(PCE)物価指数もインフレ鈍化を示すとの見方が強い。
155円~160円のレンジ放れ待ち。
金:2300-2400ドルレンジ上放れ
【今週見通し・戦略】
NY金(8月限)は、ネックライン(5/3安値)と重なる心理的節目2300ドルを維持した中、ボックス相場が続いていたが、昨晩、米CPIを受け、レンジを上放れ、上げ加速となった。
これまでの上値抵抗だった2400ドル水準が下値支持に変化。これまでのレンジは、価格帯別出来高の厚い支持帯。
これまでの上値抵抗が下値支持に変化
6月の消費者物価指数(CPI)は、前月比でマイナス0.1%と予想外に下落した。前月比でマイナスになるのは2020年5月以来約4年ぶり。前年比では3.0%上昇。伸びは5月の3.3%から鈍化し、23年6月以来最小となった。
JPX金は、円高が弱気要因となるが、海外金(NY金)相場高が、相殺し、調整は限定的となりそうだ。
中段の保合い上限に達しており、利食いが入りやすい時間帯だが、上昇チャネル中段では、押し目買いが強まりそう。同水準を下値支持帯として、一目均衡表からは、N=12650円、V=13014円、E=13380円、別カウントでは、N=12444円、E=12696円などを試す流れ継続。
MACDが陽転のまま、6月28日にストキャスティクスがゴールデンクロスして買いシグナルとなった。7月5日にストキャスティクスが高水準でデッドクロスしたが、MACDが陽転のままで、売りエントリー見送り(フィルタールール)。
6月の季節的な安値で仕込んだ買玉を含め、トレーリングストップを用いながら、利を伸ばす戦術を継続したい。
日本の休場中にトランプ前大統領暗殺未遂があった。パリオリンピックでのテロ警戒もあり、安全資産としての金買いも継続しそうだ。
【米ミシガン大学消費者信頼感指数】
【米ミシガン大学期待インフレ率】
金ETF
この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。