国別金生産高の200年史
金の採掘は数千年前から始まったと言われますが、現在までに採掘された地上の金の約86%が過去 200 年間に抽出されたと推定されています。
現代の採掘技術により大規模な生産が可能になったことにより、世界の金の生産は 1800 年代以来急激に増加しました。
上の図は、Our World in Dataと米国地質調査所(USGS)のデータをもとにして、1820 年から 2022 年までの国別の世界の金生産量を視覚化し、金採掘が時間の経過とともに世界的にどのように変化したかを示しています。
金採掘の簡単な歴史
現代史で最もよく知られるゴールドラッシュは1848年にカリフォルニアで起こり、ジェームズ マーシャルがサクラメントバレーで金を発見しました。噂が広まると、何千人もの移民が金を求めてカリフォルニアに集まり、1855年までに鉱山労働者は約20 億ドル相当の金を採掘しました。1849年に特に採掘者が急増したことから、年号にちなんでそうした人々を“forty-niner(49er/49年組)”と呼びました。アメリカンフットボールNFLのサンフランシスコ49ersのチーム名は、この呼び名に由来しています。
1890 年代までは、米国、オーストラリア、ロシアが(交互に)三大金生産国でした。その後、ウィットウォータースランド盆地での大規模な発見のおかげで、南アフリカが主導権を握りました。ウィットウォータースランド盆地は、現在では世界史上最大の金鉱地の一つとみなされています。
南アフリカの年間金生産量は、1970 年に1,002 トンでピークに達しました。これは、どの国でも年間に生産される金の量としては断トツで最大でした。
1980年代以降、金の価格が上昇したため、世界的な金の生産はますます広範囲に及んでいます。2007年までに中国は世界最大の金生産国となり、現在では40 か国以上で大量の金が採掘されています。
2022 年のトップの金産出国