金:ソーサーボトム形成中|【Weekly Report】週間予定 | 【公式】日産証券の金投資コラム

金:ソーサーボトム形成中|【Weekly Report】週間予定

NSインベストメント 菊川弘之
2026年8月3日

週間展望(8/3~8/9)

週間予定:雇用統計、スペースX決算・スペースXロックアップ解除

【週間スケジュール(8月3日~8月9日)】

・米雇用統計

 前回急減速から持ち直し、夏本番でレジャー・接客業で増加か


・韓国貿易収支

 輸出加速見通し、20日間で半導体180%増・CP機器232%急増


・日銀6月議事録

 金利31年ぶり水準に引き上げ、次回利上げのヒント示さず


・日本実質賃金

 6カ月連続プラスへ、労働日数増加で給与の伸び加速見通し


・スペースX

 過去最大IPO後初の決算に注目集まる。

 米スペースXロックアップ解除(※約9億1150万株=約1160億ドル売却可能)



前週トッピクス:日米協調介入?

【円買いユーロ売り介入】

政府日銀が円買い介入に動いた

米財務省が7月31日、市場に円買い介入の可能性を事前通告する異例の措置をとった。英FTは、米財務省が31日に円相場に介入し、円を直接買い入れることで円を下支えしたと報じた。FTによると、ニューヨーク連銀が財務省に代わってユーロを売却し円を購入した。ベッセント財務長官の援護射撃は、1月の「レートチェック」に続いて2回目。米財務省の意思が確認された格好。通貨と債券の「日本売り」が米国債売りを誘発する懸念があるため。米シティグループは1月の円金利上昇時、最大で1300億ドル(約20兆円)もの米国債売りにつながる可能性があると警告している。


日本売りと米国債売りの連鎖を防ぐ即効策は、円安阻止にある。日本の外貨建て保険などの解約ラッシュを抑え、為替のヘッジコストを減らして機関投資家の外債売りを止める効果もある。


米10年物国債利回りは4.7%台に上昇し、30年債は5.2%台と19年振りの高水準になった。連邦政府債務は40兆ドルに近づき利払い費は年1兆ドルもかかる。さらなる金利上昇は政府債務を雪だるま式に膨らませる懸念がある。


米財務省が介入を事前通告した31日朝、同氏は「8月末の20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で日銀の植田和男総裁に会うのを楽しみにしている」とX(旧ツイッター)上で表明した。ベッセント氏は日銀の利上げの遅れが円安の主因とみる。


ベッセント氏はソロス・ファンド時代の13年、円売り相場で10億ドル超の利益を出した。東日本大震災で日本の貿易収支が赤字になり、アベノミクスで金融緩和も長期化すると予測したからだ。同氏は日本円の構造的な弱さを熟知する一人。


「ベッセント氏は日本に5500億ドルの対米投融資を早期実行するよう求めている」。ベッセント氏の日本への援護射撃は無償ではない。



ドル円:200日移動平均線を維持できるか否かが焦点

【今週見通し・戦略】

ドル円(週足)52週移動平均線

ドル円(日足)MAC(Moving Aberage Channel)

先週は、米利上げ観測もあった中、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の据え置きを決めた。サプライズはなかったとの受け止めから主要通貨に対してドルが売られた。利上げを織り込んでいた投資家の持ち高解消による円買い・ドル売りが入った。

米イラン戦闘継続

米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を3.50~3.75%で維持することを決めた。採決では3人の地区連銀総裁が利上げを支持し、据え置きに反対した。


米東部時間30日午前に、162円台から一時は157円80銭と、5月中旬以来約2カ月半ぶりの安値を付けた。大規模な円買い・ドル売り注文が入り、日本政府・日銀が円買い介入をしたとの観測が広がった。まとまった円買い注文をきっかけに、円売り・ドル買いの持ち高を解消する動きがあった。日銀金融政策決定会合で政策金利を据え置いた。植田和男総裁は記者会見で物価上昇への警戒感を示した。


米東部時間30日夕、日本政府・日銀が円買い介入をし、米財務省の指示で、ニューヨーク連銀が通貨の売買気配を市場参加者に問い合わせるレートチェックもあったと報じられた。前週末には、大幅続落。日米通貨当局による円高へのけん制が強まるなか、前日に続いて円買いの為替介入が入ったとの観測があった。


ベッセント米財務長官は31日朝にX(旧ツイッター)の投稿で、「我々は(日本当局と)引き続き強固な関係と緊密な連携を維持する」と述べた。30日には「円は極めて割安にみえる」との見方も示していた。



金:ソーサーボトム形成中

【今週見通し・戦略】

NY金(8月限)MAC(Moving Average Channel)

金相場は新月(7/14)の時間帯に戻りを売られたが、終値ベースで心理的節目4000ドル水準は維持されている。ダブルボトム完成とはならず、引き続きソーサーボトムを形成の動き継続。4000ドル水準でのソーサーボトム継続の場合は、テクニカル的な売りが嵩んだ場合に追撃買いを入れることができる資金配分で、4000ドル水準での試し買い戦略を継続したい。

米イラン戦闘再開

円建て金は、急速に進んだ円高ドル安の影響で、20日間・50日間安値を更新することで、テクニカル的な売り圧力が高まる可能性はあるものの、ファーストアクションは円高ドル安に反応するものの、その後には、ドル安を受けたマザーマーケットのNY金高に追随すると思われ、安値売込みは避けたい。


米国は、ドル建てステーブルコイン(金の裏付けあり)などを通じて、世界中にドル需要と米国債需要を広げようとしている。建国250周年を迎えた米国は、軍事・最先端技術・文化・スポーツなどあらゆる面で歴史上最強となっているが、かつての絶対的な強さはなく、相対的には中国に追いかけられ、その力は拮抗する方向へ向かっている。米中覇権争いは、短期的に決着するようなものではなく、数十年単位での時間が必要だが、その流れの中で金(ゴールド)の重要性は更に増していく。 

4000ドル水準で利上げ織り込み

WGCゴールド・ディマンド・トレンズ2026Q2によると、第2四半期は価格が軟調となったが、総需要は前年同期比横ばいの1269トンとなった。上半期の総需要は同2%増の2522トンとなり、金額で過去最高の3800億ドルを記録。第2四半期は金ETF(上場投信)が45トン減少。金地金およびコインへの投資は同3%減の307トン。中央銀行の金購入は同62%増の289トン。第1四半期に減速したが、急回復した。宝飾品需要は同17%減の278トンとなり、パンデミック以降の低水準。金価格高止まりとインフレ圧力が購入意欲を抑制した。テクノロジー需要は同2%増の80トンとなった。人工知能(AI)関連の需要が家電市場の低迷を相殺。



【海外投資家動向(225)】

海外投資家動向と日経平均株価(週次)



【CME FED WATCH】

Fedウォッチが示すFOMCでの政策金利見通し



金ETF

金ETF買い残高(SPDR GOLD SHARES)

この記事の監修者

菊川弘之

東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社

日産証券インベストメント株式会社

取締役 菊川 弘之

NY大学留学。その間GelberGroup社、FutureTruth社などでトレーニーを経験。
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

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