金:各国の中央銀行が金購入を強化|【Weekly Report】週間予定
![]()
2026年4月13日
週間展望(4/13~4/19)
このページで知れること(目次)
週間予定:IMF世銀会合・中国GDP・貿易収支
前週トッピクス:米・イラン停戦協議
ドル円:心理的節目160円を挟んだ保合い放れ待ち
金:各国の中央銀行が金購入を強化
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:IMF世銀会合・中国GDP・貿易収支

・米・イラン停戦協議
米国とイランはパキスタンの仲介で8日(米時間7日)に2週間の停戦で合意した。
22日までに恒久的な戦闘終結で歩み寄れなければ、停戦合意は破棄されるとみられる。
・IMF世銀会合
米イラン戦争受け世界経済成長見通しを引き下げへ
・中国GDP
1月-2月の輸出急増受け成長加速見通し、5%上回る可能性
・中国貿易収支
米イラン戦争の影響で3月の輸出は大幅鈍化の見通し
・植田日銀総裁
4月会合前「最後の手がかり」原油高でタカ派化警戒
・ラガルドECB総裁
米イラン停戦でインフレ懸念後退、タカ派色緩和か
・FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)(18~30日まで)
前週トッピクス:米・イラン停戦協議
【米イラン停戦協議】


パキスタン政府は4月8日、イランと米国が即時停戦に合意したと発表。ただし、パキスタンで現地時間11日から開かれる米イランの戦闘終結に向けた和平協議を前に、イスラエルとレバノンの間で攻撃が続くなど、各国の認識の違いが懸念された。
米国のバンス副大統領はパキスタンの首都イスラマバードで012日朝(日本時間12日午前)、記者団に対し、「21時間」に及ぶイランとの協議で、米国側の条件や譲歩できる点などを「可能な限り明確にした」が、「合意に至らなかった」と述べた。「米国に帰る」と語り、今回の協議が決裂に終わったことを明らかにした。
バンス氏は協議中、何度もトランプ大統領と電話で連絡を取ったと明らかにした。米国側の提案は「最終的かつ最善」の案だとして、「イラン側が受け入れるかどうか、様子を見ることになる」と語った。
米国とイランはパキスタンの仲介で8日(米時間7日)に2週間の停戦で合意した。22日までに恒久的な戦闘終結で歩み寄れなければ、停戦合意は破棄されるとみられる。
イスラエルの迎撃能力の限界が近づいており、一時的な停戦を期待する声がある一方、米・イスラエルとイランとの宗教戦争の側面が強まれば、米国による地上戦の可能性や、長期化のシナリオも要想定。カルバン派のトランプ大統領のイラン殲滅の本気度は高いと見た方が良いかもしれない。
ドル円:心理的節目160円を挟んだ保合い放れ待ち
【今週見通し・戦略】

ドル円は、有事のドル買いと、日本の貿易赤字が拡大するとの見方から円売り・ドル買いと、介入警戒感や停戦期待との綱引き相場。イラン情勢を巡る報道に一喜一憂する不安定な動きが続いている。
2週間延長案
中東の軍事衝突を巡って米国がイランに求めた合意期限(米東部時間7日20時に設定)が迫る中、パキスタンのシャリフ首相は7日、自身のX(旧ツイッター)でトランプ氏に対してイランとの交渉の合意期限を2週間延長するように要請すると明らかにした。これを受けて、中東情勢が悪化するとの懸念がいったん後退。米長期金利が低下し、円買い・ドル売りが進んだ。
欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるベルギー中銀のウンシュ総裁が4月の利上げの可能性に言及したとWSJが7日に伝えた。ECBの早期利上げ観測を背景に円売り・ドル売り・ユーロ買いが優勢となった。
前週末は、米国とイランがパキスタンで現地時間11日に開く和平協議を見極めたい向きが多い中、週末を控えて持ち高調整の債券売りが出た。米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大観測から円売り・ドル買いが優勢になった。エネルギーを輸入に頼る日本の貿易赤字を拡大させるとの見方も引き続き材料視された。
3月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.9%上昇し、2022年6月以来の伸び率となった。エネルギー高を織り込んだ市場予想と一致。エネルギー・食品を除くコア指数の上昇率は市場予想を下回ったが、4月も原油高の影響が続くとみられる。
ミシガン大学米消費者調査(速報値)で1年先の予想インフレ率が4.8%と3月の3.8%から切り上がり、長期の予想インフレ率も3.4%と3月の3.2%を上回った。米国のインフレ懸念がくすぶったことも、円売り・ドル買いにつながった。
和平協議待ち
和平協議の進展を見極めながら心理的節目160円を挟んだ保合い放れ待ち。
金:各国の中央銀行が金購入を強化
【今週見通し・戦略】

フランス中央銀行は、NYに保管(預けていた)されていた金129トンを売却し、同等の金を欧州で購入し、金価格上昇により128億ユーロの利益を計上した。歴史的高値レベルで売却、その後、米・イラン戦争で大きく下がったところで、純度の高い99.99%の金を買い戻した模様。これにより、米国との間に大きな政治的な軋轢を生じさせず、(2013年~2017年のドイツのように自国へ持ち帰るという選択をせず)、巨額な売買益を得ることができた格好。結果として仏の金保有量は2437トンと変わらないものの、仏保有金は、フランス中央銀行の地下金庫に保管されているということになった。ホルムズ海峡の通行料を人民元や暗号通貨で支払うということと同じく、後々、歴史を振り返ってみると、米・イスラエルによるイラン攻撃が、基軸通貨ドル・米覇権の揺らぎの象徴的な出来事だったとなりそうだ。
ペトロダラーの揺らぎ
ポリティコの世論調査で、10年後に世界の覇権国になるのは中国か米国か?」との問いも、米国以外を選ぶG7国も出始めている。大きな歴史的な流れの中で、基軸通貨ドルや米覇権の揺らぎは、金にとっては長期の買い要因となるだろう。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、3月の金価格急落を受けて各国の中央銀行が金購入を強化した。チェコ国立銀行は2トン、グアマテラ銀行も2トン、ポーランド国立銀行は11トン、ウズベキスタン中央銀行は9トン、中国人民銀行は5トン購入した。一方、トルコ中央銀行は69.1トン売却した。スワップ契約を通じて、リラやその他の通貨を購入し、トルコ経済を支えた。
地政学リスクの影に隠れているが、ノンバンク融資ファンドを巡る不透明感やAIによる高度なサイバー攻撃が金融システム全体への脅威になるとの警戒感が強まっている。3月23日の安値を下回らない限り、2番底探りの後は、買い方有利の時間帯に向かう。1番底割れにストップロスを置き、ダブルボトム確認後、試し買い、ネックライン超えで追撃買いを考えたい。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

