金:2番底形成後、押し目買い基調形成か|【Weekly Report】週間予定
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2026年4月6日
週間展望(4/6~4/12)
このページで知れること(目次)
週間予定:トランプ大統領が示唆したデッドライン
前週トッピクス:米雇用統計(NFP)は、過去15ヶ月で最大の伸び
ドル円:「有事のドル買い」VS「介入懸念」
金:2番底形成後、押し目買い基調形成か
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:トランプ大統領が示唆したデッドライン

・トランプ大統領デッドライン
4日、イランが48時間以内に停戦合意し、ホルムズ海峡を開放しなければ「あらゆる地獄が降り注ぐ」と圧力を強めた。
・OPECプラス会合
ホルムズ海峡再開に備えサウジやロシアが増産検討へ
・FOMC議事録
インフレ見通し引き上げ、パウエルFRB議長は利下げ急がず
・米消費者物価指数
ガソリン価格高騰受け3月はインフレ急加速の見通し
・日本国内企業物価指数
戦争による原油高騰とドル高・円安が押し上げ
・NZ中銀政策金利
インフレ加速と成長鈍化でメンバーの意見割れる可能性
週内 NATO事務総長が米国訪問、トランプ米大統領と会談予定
前週トッピクス:米雇用統計(NFP)は、過去15ヶ月で最大の伸び
【米雇用統計】



米労働省労働統計局が3日発表した3月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は17万8000人増加した。2月の急激な落ち込みから一転、過去15ヶ月で最大の伸びとなった。
医療従事者のストライキが終結し、気温が上昇したことが追い風となった。
事前予想は6万人増、3月の予想値は2万5000人減から12万5000人増まで幅があった。
2月は9万2000人減から13万3000人減に下方修正された。
失業率は2月の4.4%から4.3%に低下した。
ただ、これは労働参加率の低下が主因とみられる。労働参加率の低下がなければ、失業率は4.5%まで上昇していたと推定される。
平均時給は0.2%増。2月は0.4%増だった。賃金は2月の3.8%増から3月は3.5%増となった。失業率の算出元となる家計調査は、総じて低調だった。回答率は63.9%と、過去最低に落ち込んだ。
ドル円:「有事のドル買い」VS「介入懸念」
【今週見通し・戦略】

ドル円は、有事のドル買いと中東から原油輸入依存度が高い日本が、原油輸入価格の上昇を通じて、日本の貿易赤字が拡大するとの見方から円売り・ドル買いが継続。フーシ派のミサイル攻撃を受けた「有事のドル買い」により、160円超へ反発。これに対し、三村財務官が「断固たる措置が必要になる」と、就任以来最も強い表現で円安を牽制すると、介入警戒感が急速に高まり反落。トランプ大統領が軍事作戦を終了させる用意がある」との報道が伝わると、月末・期末に伴うドルロングの解消(巻き戻し)が強まり、158円台へ下落した。片山さつき財務相は日本時間31日午前の閣議後記者会見で、原油先物市場だけでなく為替市場の動向も「投機的になっている」と指摘し、今後について「あらゆる方面で万全な対応をとる」と語った
イラン攻撃示唆
イラン情勢を巡る報道に一喜一憂する不安定な動きが続く中、4月2日にトランプ大統領が対イラン軍事作戦について演説を行った。「主要な戦略目標はほぼ達成」「イランでの任務の完了が目前に迫っている」など早期終結を示唆する発言の一方、「今後2-3週間、これまで以上に激しい攻撃を加える。彼らを本来ふさわしい場所、石器時代へ戻してやる」、合意に至らない場合は「イラン国内のすべての発電所や石油輸出拠点を同時に、かつ徹底的に叩く」など攻撃激化の方針も示した。
大統領演説が紛争終結に向けた前向きなものになるとの期待があっただけに、演説を受けてリスク警戒感が一気に強まった。米国のイースター休場前のポジション調整や、トランプ大統領が示したデッドラインが迫る中、有事のドル買いとなり、ドル円は159円台後半まで上昇した。 一方、本邦の介入警戒感が上値を抑えた。
大口投機玉の偏りは小さく、160円超での口先・単独実弾介入があっても、米国・イスラエルVSイランの停戦・終戦がなければ、ドルが買われやすい地合いが継続しそうだ。上値目標は、E=163.28円、V=163.09円。下値支持157.50円。
金:2番底形成後、押し目買い基調形成か
【今週見通し・戦略】

ホルムズ海峡通航再開に向けた具体的な道筋が示されなかったと受け止められ、供給混乱が長期化するとの懸念から、原油相場が急伸。インフレ再燃への警戒感や米利下げ観測の後退が金相場の圧迫要因になった。
国際通貨基金(IMF)は2日、米国の金融政策を巡り「2026年の利下げ余地はほとんどない」と指摘。
米金利上昇を嫌気して「現金化」の動きの中で付けた3月の長い下ヒゲ安が1番底。中東情勢に加えて、ノンバンク系の金融不安やAIバブルなどの不透明感が高まる中、「安全資産」として、キャッシュ化された流動性が金に戻る動きを予想する。価格帯別出来高の厚い4300~4500ドル前後で2番底を形成後、4900~5000ドルを超えてくると、ダブルボトム完成も意識される。一方、地政学リスクが落ち着いた場合も、米利下げ期待が高まり、金と株のダブルバブルが再開するだろう。
ホルムズ海峡通過に関して、イランは「友好国」の船舶であれば通航料の支払いによって航行を認め、支払いは人民元または暗号資産(仮想通貨)で実施すると報じられている。「VLCC」と呼ばれる超大型石油タンカーの積載能力は約200万バレルとされ、1バレル1ドルの通航料なら約200万ドルのコストが上乗せされることになる。
ペトロダラーの揺らぎ
既に、イラン産原油は中国向け輸出がほとんどで、米ドル決済ではなく人民元決済に移行している。ドルが金本位制廃止の後、基軸通貨体制を維持したのが原油決済を米ドルで行うと言うペトロダラー体制であったが、これが大きく揺らいでいる。
ポリティコの世論調査で、「10年後に世界の覇権国になるのは中国か米国か?」との問いも、米国以外を選ぶ同盟国も出始めている。大きな歴史的な流れの中で、基軸通貨ドルや覇権の揺らぎは、金にとっては長期の買い要因となる。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

