金:日本の財政拡張懸念が強まると、世界的な金利上昇も|【Weekly Report】週間予定
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2026年2月9日
週間展望(2/9~2/16)
このページで知れること(目次)
週間予定:米雇用統計、米消費者物価指数、中国春節(旧正月)
前週トッピクス:衆院選挙投開票
ドル円:衆院選の結果次第で上下に荒い展開も
金:日本の財政拡張懸念が強まると、世界的な金利上昇も
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:米雇用統計、米消費者物価指数、中国春節(旧正月)

・米雇用統計
今回は水曜日に発表、政府閉鎖の影響で延期されていた
・米消費者物価指数
政府閉鎖の影響で当初の11日から13日に変更・日本実質賃金
12ヶ月ぶりプラス転換か、ボーナスや労働日数増加
・英GDP速報値
成長率鈍化なら3月利下げ観測さらに高まる可能性
・EU首脳非公式会合
・ミランFRB理事、討論会出席
・ミュンヘン安全保障会議(15日まで)
・中国春節(旧正月)
23日まで休場
前週トッピクス:衆院選挙投開票
【衆院選挙】


衆院選は8日投開票され、全議席が確定。
自民党が316議席を確保し、単独で定数の3分の2にあたる310議席を超えた。ひとつの政党が得た議席数としては戦後最多。単独で衆院の3分の2の議席を得るのは戦後初めて。
政権交代が起きた2009年の衆院選で民主党が得た308議席や64.2%の議席占有率の記録を上回った。自民の過去最多は1986年の300議席だった。
参院では与党が過半数を持たない状況は変わらない。衆院で3分の2以上の議席を得たことで、参院で否決された法案を再可決して成立させられる。
高市早苗政権の政策を進めやすくなる。首相は、自民が公約した消費税率の「食料品に限り2年間ゼロ」について、超党派の「国民会議」を立ち上げて議論を加速すると述べた。「責任ある積極財政」の「責任」か「積極」のいずれに重点が置かれるのか、マーケットは注視しそうだ。
財政悪化に敏感に反応しやすい超長期債などの利回りが急上昇するのか否かに注意。
ドル円:衆院選の結果次第で上下に荒い展開も
【今週見通し・戦略】



ドル円は、トランプ大統領が1月30日にケビン・ウォーシュ元FRB理事を次期議長に指名。ウォーシュ氏は過去、FRBの量的緩和(QE)やバランスシートの拡大を強く批判した経緯があり、市場が期待していたよりもタカ派的なスタンスと見なされて、ドル買いが強まり、金や銀、ビットコインなどドルの代替資産が大きく値を崩した。
また、1月の米ISM製造業景況指数が52.6となり、市場予想の48.5を上回り、好不況の境目である50も上回ったことが好感された。
衆院選挙
1月31日に高市首相は、「円安でもっと助かっているのが、外為特会(外国為替資金特別会計)っていうのがあるんですが、これの運用、今ほくほく状態です」と発言。「高市首相が円安を容認した」との見方や、衆議院議員選挙では、与党が圧勝するとの報道が増え、日本の財政拡大の思惑も円売りにつながった。
1月14日高値と1月23日高値とのダブルトップのネックライン(1/19安値:157.39円)で上値が抑えられているが、衆院選挙で自民党・与党が圧勝なら、1月14日高値~心理的節目160円を試す動きも出てきそうだ。ただ、160円超へ短期で買い上げられると、本邦当局からの牽制や介入(口先・実弾)も想定され、上下に荒い展開も想定される。介入に関しては日本単独か日米協調なのかにも注目したい。
選挙期間中に高市首相が発言を控えた消費減税の行方も注意したい。
金:日本の財政拡張懸念が強まると、世界的な金利上昇も
【今週見通し・戦略】


NY金(4月限)は、月末要因に加え、米政府一部閉鎖の可能性が後退(2026会計年度の予算案が暫定合意)した事や、タカ派のウォーシュ氏が次期FRB議長に指名され、利下げ観測が後退した事、CME証拠金引き上げなどがきっかけとなり、利益確定売りが進み、2月2日には2025年10月28日安値~2026年1月29日高値までの上昇に対する61.8%押し(4599.9ドル)を一気に達成した。心理的節目4500ドルもザラ場で割り込んだが、押し目を買われて下ヒゲを形成し、終値ベースでは回復。この下ヒゲ安値(2/2)が、当面の一番底候補との認識も高まり、3日には反動高。1日の上げ幅では過去最大となった。
国際秩序再編の均衡点を測る
歴史的な急騰・急落・急騰を繰り返した金相場だが、米覇権・ドル基軸通貨体制の揺らぎという大きな金買いのテーマに変化はない。JPモルガン・チェースは2日に公表したリポートで、金価格が2026年末までに1オンス=6300ドルに達するとの見通しを示した。各国中央銀行や投資家からの旺盛な需要が続くとみている。今年の各国中銀による金購入量は、準備資産の多様化を背景に800トンになると想定した。「最近の短期的なボラティリティー(変動率)を考慮しても、中期的に金に対して強気の見方を維持する」と指摘。また、ドイツ銀行は2日、26年の金価格の見通しを1オンス=6000ドルに据え置いた。価格調整にもかかわらず、投資家の金需要が続いていることを理由に挙げた。
2026年はトランプ政権の圧力によるFRBの利下げと、選挙対策のばら撒き(財政拡大)により、力業で株価を吊り上げる流れは続きそうだ。中間選挙へ向けて、金と株とのダブルバブルは簡単には終わらない。日本の財政拡張懸念が強まり日本国債の売りが加速すれば、グローバルな金利上昇につながるとの警戒感から金買いが加速する可能性も。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

