金価格が上昇するタイミング、傾向について | 【公式】日産証券の金投資コラム

金価格が上昇するタイミング、傾向について

上昇を続ける金価格は、今後の世界情勢によっては更なる上昇が見込めます。金価格が上昇するタイミングや傾向についてまとめました。金は、(1)需要の増加、(2)世界経済の回復、(3)地政学リスク、(4)インフレ、と言った要因で上昇が見込めます。上昇に転じるタイミングを見極めて購入・売却を行えば、利益を確保できます。

金の価格が上昇するのはいつか?

2020年に始まった世界的な新型コロナウイルスの流行により、金価格が高騰したのは記憶に新しい出来事です。その後、2021年には米国の長期金利が利上げ観測により上昇したため、金価格は少し下落したものの、2022年のロシアのウクライナ侵攻により「有事の金」に再び注目が集まり、円建ての金相場はかつてない高値にまで上昇しました。

世界経済の先行きが見通せない中、今後、金の価値はさらに上昇する可能性があります。購入や売却のタイミングを間違えないために、金価格が上昇する要因や、理由についてまとめました。

理由1 金の需要が増加したとき

金の需要が高まれば、「高価でも手に入れたい」という人が増えます。逆に、希少な貴金属でも、需要が高くなければ価格は落ち着き、横ばいまたは下落していきます。

例えば、一般的に金より稀少で、価値の高い貴金属と考えられているプラチナは、2015年1月以降、ゴールドよりも価格が下がっています。

その理由は、古代より金は通貨としての価値があると考えられ、代替通貨として今もドルやそのほかのお金の信用が失われたときに買われる傾向があるからです。また、装飾品や、工業用品としての価値もあり、用途が幅広いことも理由として挙げられます。

プラチナはディーゼル車の排気ガス浄化装置の優秀な触媒ですが、パラジウムという代替可能な金属があります。また、プラチナを金のように代替通貨や投資対象として買い求める動きもない少ないため需給の関係で、現在はゴールドより低い価格になっています。

金は、現在の価格水準で採掘可能な埋蔵量は約18年分しかなく(※)、様々な用途で高い価値を有するため、今後も積極的な金投資により価格が上昇する可能性があります。
(※)アメリカ地質調査所データより

理由2 コロナ禍の収束により世界経済が復活したとき

理由2 コロナ禍の収束により世界経済が復活したとき

新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、中国やインドの成長にも一時的にストップがかかりましたが、今後、再び成長路線に転じた場合、投資のために積極的に金を購入する人が増えるでしょう。

パンデミックが落ち着けば、安全資産とされる金の価格は一時的には横ばいないし下落すると考えられます。しかし、世界の経済活動が活発になれば、儲けたお金を金に投資しようとする人が増えます。一方、金の供給が急に増えることは考えにくいので、長期的には金価格は上昇傾向に推移すると考えられます。

理由3 地政学リスクの高まり

テロや戦争が起きると、「有事の金」と言われ、金取引が活発になり、価格が上昇します。実際に、ロシアによるウクライナ侵攻で金価格が高騰しました。

この戦争により今まで維持されてきた国際秩序が乱れ、将来戦争が起こる可能性が増したとする声も聞かれます。戦争の多発する世界にはなってほしくないですが、戦争による不安感が、どの国でも価値が落ちない金を買い求める動きにつながるため、金価格の上昇タイミングを窺うならば戦争は注目すべき出来事だと言えます。

理由4 インフレが予想されるとき

理由4 インフレが予想されるとき

インフレが生じ、円やドルなどの貨幣価値が下落し、物価が高くなることが予想される場合は、通貨から金に取り換えようという動きが活発になり、金価格が上昇します。

金には代替通貨としての性質もありますが、同時にアクセサリーなどにも使われる「物」でもあります。インフレの際は物の価値が上昇しますので、金の価値も上昇が見込めます。すると、「もっと高くなる前に買っておこう」と金を購入する人が増えます。

金はマクロ経済に連動しやすい商品

金はマクロ経済に連動しやすい商品です。株式では、その企業の業績のほかに、業界全体の傾向や、不祥事のリスクなども考慮しなくてはなりません。しかし、金は世界情勢に関心があれば、細かい業界の情報などに気を配らなくてもある程度、値動きを予測できます。

また、金は他の金融商品に比べ、値動きが安定しており、資産を防衛しつつ増やしたい人に最適な投資と言えるでしょう。

この記事を読んだ方にお勧めの記事

  • 【金消費大国インド】

  • 日本における金本位制

  • 世界の中央銀行の金準備(買う新興国、売れない先進国)

他ジャンルの最新はこちら

  • スペシャル

    10年ぶりの供給不足水準(JM)

    英ジョンソン・マッセイ(JM)報告によると、2024年の世界のプラチナ(白金)の需給は18.6トンの供給不足となる見通し。

  • 定期レポート

    日本GDP 2四半期ぶりのマイナス成長へ 物価高・個人消費低迷、自動車大手の認証不正問題、能登地震が影響

  • 動画

    急騰する白金価格、覇権争いが進む国際情勢の今後について解説します。


当サイトのコンテンツは情報提供を目的としており、当社取り扱い商品に関わる売買を勧誘するものではありません。内容は正確性、 完全性に万全を期してはおりますが、これを保証するものではありません。また、当資料により生じた、いかなる損失・ 損害についても当社は責任を負いません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。 当資料の一切の権利は日産証券株式会社に帰属しており、無断での複製、転送、転載を禁じます。

取引にあたっては、必ず日産証券ホームページに記載の重要事項リスク説明等をよくご確認ください。
重要な注意事項についてはこちら