金:米金利高を嫌気した金の安値は中期的な買い場|月間騰落傾向(OSE)・JPX白金(日足)・米利上げ局面前後|【Monthly Report】月間展望(9月)
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2026年9月3日
~9月1日~9月30日 ~
このページで知れること(目次)
ドル円:日米協調も効果は限定的 米利払い費・ドル円(月足)・CFTC建玉明細
金:米金利高を嫌気した金の安値は中期的な買い場 月間騰落傾向(OSE)・JPX白金(日足)・米利上げ局面前後
9月注目スケジュール:米・イラン停戦協議・雇用統計・米中首脳会談
日米協調も効果は限定的

【今月見通し・戦略】
ドル円は、世界的な長期金利の上昇や中東情勢の緊迫化に伴う原油高を背景にリスク回避が広がり、日米協調介入の効果は限定的で、ドル円は買い戻しが進んだ。
米債券市場では原油高によるインフレ観測に加え、財政悪化や人工知能(AI)インフラ構築に必要な資金調達のための社債発行なども金利押し上げ要因として意識された。30年債利回りは2007年以来の高水準を付ける場面があったが、米財務省が19日、流動性支援のため国債の買い入れ消却(バイバック)の1回あたりの上限額を20億ドルから少なくとも40億ドルに引き上げると発表。上限額の引き上げは9月9日から11月4日まで。
バイバック増額計画はサプライズだったものの、あくまで「時間稼ぎ」の措置であり、根本的な解決には至らないとの見方から、金利低下は限定的。ドル円の調整も限定的。
米国の年内利上げ観測や日本の財政赤字拡大への警戒感が円安・ドル高の基調の根底にあり、異例の日米協調介入に続いたバイバック増額計画にも関わらず、大口投機筋のポジション動向も、2024年の介入時(円売りから円買いへ転換)とは異なり、円売り縮小も途転とはなっていない。そういう中、ジャクソンホール会議で、ウォーシュFRB議長がインフレ高止まりへの懸念を示したことで米利上げ観測が高まった。幅広い通貨に対してドル買いが優勢だった。
9月も米利上げ観測の行方が焦点。米雇用統計や米中首脳会談前後での米イラン停戦協議の行方や、日米介入姿勢が材料視される。
~米利払い・ドル円(月足)・CFTC建玉明細~
【米利払い費】

【ドル円(月足)】

【ドル円(CFTC建玉明細)】

米金利高を嫌気した金の安値は中期的な買い場

【今月見通し・戦略】
金相場は新月(7/14)の時間帯に戻りを売られたが、終値ベースで心理的節目4000ドル水準は維持されている。ダブルボトム完成とはならず、引き続きソーサーボトムを形成の動き継続。4000ドル水準でのソーサーボトム継続の場合は、テクニカル的な売りが嵩んだ場合に追撃買いを入れることができる資金配分で、4000ドル水準での試し買い戦略を継続したい。円建て金は、急速に進んだ円高ドル安の影響で、20日間・50日間安値を更新することで、テクニカル的な売り圧力が高まる可能性はあるものの、ファーストアクションは円高ドル安に反応するものの、その後には、ドル安を受けたマザーマーケットのNY金高に追随すると思われ、安値売込みは避けたい。
米国は、ドル建てステーブルコイン(金の裏付けあり)などを通じて、世界中にドル需要と米国債需要を広げようとしている。建国250周年を迎えた米国は、軍事・最先端技術・文化・スポーツなどあらゆる面で歴史上最強となっているが、かつての絶対的な強さはなく、相対的には中国に追いかけられ、その力は拮抗する方向へ向かっている。米中覇権争いは、短期的に決着するようなものではなく、数十年単位での時間が必要だが、その流れの中で金(ゴールド)の重要性は更に増していく。
WGCゴールド・ディマンド・トレンズ2026Q2によると、第2四半期は価格が軟調となったが、総需要は前年同期比横ばいの1269トンとなった。上半期の総需要は同2%増の2522トンとなり、金額で過去最高の2800億ドルを記録。第2四半期は金ETF(上場投信)が45トン減少。金地金およびコインへの投資は同3%減の307トン。中央銀行の金購入は同62%増の289トン。第1四半期に減速したが、急回復した。
~NY金月間騰落傾向・ 米利払い・利上げに対する反応~
【NY金月間騰落傾向】

【米30年債とNYダウ】

【利上げに対する反応】

9月注目スケジュール:
米・イラン停戦協議・雇用統計・米中首脳会談

・米・イラン停戦交渉
春と同じように米中首脳会談前に、電撃的な停戦があるか?
・米雇用統計
ここ数回は、弱気内容が続く
・日銀金融政策決定会合
ベッセント財務長官からの圧力と、高市政権からの圧力のはざまで難しい決定
・米中首脳会談
表の議題は、関税問題・台湾問題だが、裏の議題は米イラン戦争
・テキサス州共和党大会
中間選挙年では異例の大会。共和党が強い州での接戦予想が背景
この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

