金:米金利がダブルトップ完成なら、金の底打ち感も強まる|【Weekly Report】週間予定
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2026年6月15日
週間展望(6/15~6/21)
このページで知れること(目次)
週間予定:米・イラン停戦協議、日銀金融政策決定会合、FOMC
前週トッピクス:スペースX上場
ドル円:米長期金利のネックラインの攻防に注目
金:米金利がダブルトップ完成なら、金の底打ち感も強まる
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:米・イラン停戦協議、日銀金融政策決定会合、FOMC

・日銀会合
31年ぶり高水準「1.0%」に引き上げへ、植田総裁入院の為、内田副総裁が記者会見
・FOMC
ケビン・ウォーシュ議長のデビュー戦、SEP公表「緩和バイアス」削除か
・英中銀政策金利
据え置き確実も、ピル氏に続きグリーン氏も利上げ主張か
・豪中銀政策金利
インフレ鈍化とGDP減速で「ハト派」傾斜の可能性も
・G7首脳会議
イラン情勢・エネルギー問題が議題に、首脳宣言は見送り
FRBブラックアウト期間(金融政策に関する発言自粛)(~18日)
前週トッピクス:スペースX上場
【スペースX】

米起業家イーロン・マスク氏は12日、世界で初めて純資産が1兆ドル(約160兆円)超の「トリリオネア」となった。米誌フォーブスがまとめる世界の富豪ランキングで12日、マスク氏の純資産が一時1兆1000億ドルに達した。「スペースX」が米ナスダック市場に新規上場し、公開価格を上回る初値がついたことで大台を突破した。
12日時点で2~5位の米グーグル、米アマゾン・ドット・コム、オラクル創業者の合計をマスク氏一人で超える。1兆ドルは26年度の日本の国家予算(一般会計総額で122.3兆円)を上回る。米連邦準備理事会(FRB)が調べた米国の22年の家計純資産の中央値(約19.3万ドル)と比べると500万倍超となる。
石油王ジョン・ロックフェラーの純資産は1937年に当時の米国の国内総生産(GDP)の1.5%に相当し、比率として長らく過去最高だった。現在のマスク氏の純資産は米GDPの3%に相当する。マスク氏の出身国南アフリカの国内総生産(GDP)の約2倍に当たる。1ドル紙幣を1兆枚横に並べると、地球と月の往復200回分以上の距離に相当。
米宇宙・人工知能(AI)企業スペースXの上場で、株式を保有していた数千人の現・元従業員が総資産100万ドル(約1億6000万円)以上の「ミリオネア」となった。報道によると、公募価格に基づく試算では4400人超の従業員らがミリオネアとなる見通しだった。株価はこれより値上がりしており、さらに人数が増えたとみられる。
これは夢があるのか?異常事態なのか?
歴史を振り返ると、1989年の冷戦終結や1995年前後のインターネット普及が後に大きな転換点と認識されたように、2026年も「AI革命の本格化」「金利の復活」「国際秩序の再編」が同時進行した歴史的節目として語られるだろう。
ドル円:米長期金利のネックラインの攻防に注目
【今週見通し・戦略】

ドル円は、米国とイランの交渉に関するヘッドラインに左右される展開継続。上値も下値も限定的ながら、じりじりと円安に動いた。上値目標値は、N=160.8円、V=163.0円、E=163.4円。直近波動からは、E=160.3円、V=160.8円がカウント可能。
強気の雇用統計を受けて 「フェドウオッチ」で年内に利上げする確率が上昇した事に続き、米中央軍が9日、米国のヘリコプター撃墜への措置として、イランへの「自衛的な攻撃」を始めたと発表。トランプ大統領は10日朝にもSNSで「彼ら(イラン)は交渉に時間をかけすぎており、その代償を支払わなければならない」と投稿。米長期金利が上昇し、160円台後半まで続伸。
ただし、トランプ米大統領が11日、同日夜に予定していたイランに対する攻撃を中止したと表明。日米株式相場が上昇し、リスクオンとなった。
イランのアラグチ外相は12日、米国とイランの戦闘終結に向けた合意を巡り「これまでにないほど近づいている」と自身のSNSに投稿した。トランプ米大統領は11日、週末にもイランとの合意文書に署名する可能性に言及。中東情勢を巡る不透明感の緩和が基軸通貨であるドルの上値を抑えた。
年内利上げ確率
日銀金融政策決定会合では、政策金利を1%に引き上げると見られる。ただ、植田日銀総裁が不在の中、内田真一副総裁が会合後の記者会見で、タカ派的なメッセージを発信しない限り(可能性は低い)、追加利上げを手掛かりとした円買いは続きにくいだろう。
今週は米中休場を控え、日銀金融政策決定会合・FOMCで波乱がなければ、引き続き米イラン戦争の停戦協議に伴うヘッドラインに左右される展開が続きそうだ。米長期金利がダブルトップを形成中で、ネックライン割れとなるのか否かにも注目。
金:米金利がダブルトップ完成なら、金の底打ち感も強まる
【今週見通し・戦略】


NY金(8月限)は、米長期金利上昇・ドル買いを嫌気して、三角保合いを下放れ後は、2025年12月31日安値~200日移動平均線が下値支持帯として機能してきたが、市場予想を上回った米雇用統計を受け、米利上げ観測が強まる中で売りが加速。支持帯割れで、3月安値も割り込んだ。
200MAが上値抵抗
価格帯別出来高の厚い4500ドル~200日移動平均線水準が上値抵抗に変化。
欧州中央銀行(ECB)が、G7中銀で初となる0.25%の利上げを発表。日銀金融政策決定会合でも利上げが予想されており、原油高に伴う金利上昇観測が金の上値を抑えた。
更に、スペースXのIPOも金売りの一因とみられる。同社の調達金額は750億ドル(約12兆円)と史上最大の規模で、これまでの金上昇での利益を確定して、短期的に巨大IPOや半導体株に投資する動きも今回の金調整の背景だ。中期トレンドの目安となる200日移動平均線や52種移動平均線を終値ベースで割り込み、短期トレンドだけでなく、中期トレンドの変化も意識され始めている。一方、移動平均線の向きは上向きのままであり、このまま移動平均線を実体が上回った場合、テクニカル分析の上向きの移動平均線を割り込んだ押し目が買い場となる「グランビルの買い法則」となる可能性も。
長期買い場探し
今週~来週の動きで、押し目買いとなるのか、戻り売りとなるのかが見えてくる。米・イラン停戦協議の行方が最大の焦点。停戦協議がまとまれば、金も株も上昇する。この場合は、過去の季節傾向通り、6月の安値が夏高の買い場になるケース。米金利がダブルトップ完成なら、金の底打ち感も強まる。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

