金:3月下ヒゲ安値が底値候補|NY金とFF金利・NY金&NYダウ・CFTC建玉明細|【Monthly Report】月間展望(3月)
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2026年4月1日
~4月1日~4月30日 ~
このページで知れること(目次)
ドル円:原油高に伴う円売り(赤字拡大)・有事のドル買い 主要通貨騰落・ドル円(月足)・ドル円(CFTC建玉明細)
金:3月下ヒゲ安値が底値候補 NY金とFF金利・NY金&NYダウ・CFTC建玉明細
4月注目スケジュール:米・イラン戦争の行方・FOMC・日銀金融政策決定会合
原油高に伴う円売り(赤字拡大)・有事のドル買い

【今月見通し・戦略】
前回レポート(3/1付)で、【2月末に、イランの核開発協議に伴う「地政学」という変数が加わり、米国・イラン双方の攻撃が限定的になるか否かが焦点。限定的なものであれば、リスク回避の動きも限定的となるが、長期化・インフレ圧力が高まってくると、地政学リスクに市場の関心が向き、悪い円安が意識される流れとなる】としたが、当初の市場の予想に反して、戦争の終結は見通せない状態になっている。
有事のドル買いと、中東から原油輸入依存度が高い日本が、原油輸入価格の上昇を通じて、日本の貿易赤字が拡大するとの見方から円売り・ドル買いが継続。米国・イスラエルとイランの軍事衝突を巡る不透明感が根強く、基軸通貨としての有事のドル買いが優勢となり、3月末には160円台を回復した。
トランプ大統領は3月26日、イランの発電所への軍事攻撃を4月6日まで延期すると表明した。今回で2度目の延期となる。
片山さつき財務相は27日、円相場の動向を巡って「断固とした措置も含めてしっかりと対応していく」と述べた。日本政府・日銀のよる円買いの為替介入に対する警戒感がドル円の上値を抑えた。
大口投機玉の偏りは小さく、160円超での口先・単独実弾介入があっても、米国・イスラエルVSイランの停戦・終戦がなければ、ドルが買われやすい地合いが継続しそうだ。
上値目標は、E=163.28円、V=163.09円。下値支持157.50円。下値支持は、157.50円~155円。
~主要通貨騰落・ドル円(月足)・ドル円(CFTC建玉明細)~
【主要通貨騰落率】

【ドル円(月足)】

【ドル円(CFTC建玉明細)】

3月下ヒゲ安値が底値候補

【今月見通し・戦略】
トランプ大統領は3月26日、イランの発電所への軍事攻撃を4月6日まで延期すると表明した。周辺国は早期停戦の実現を目指し、活発に交渉している。一方、米軍は増派を急いでおり、攻撃拡大をちらつかせながら、イランに停戦条件の受け入れを迫る構えだ。
4月1日~9日までユダヤの祝日(過越祭:ペサハ)期間で協議が進むか否かが焦点。ただトランプ大統領が、いくら短期で戦闘を収めようとしても、米国とイスラエルが、それぞれ求める今回の攻撃の着地点に大きく差があり、短期終結が見通せない。米軍司令官が部隊に「全ては神の計画の一部」と通達し、ハルマゲドンとイエスキリストの再臨を示唆するなど、米国成人の約23%を占めるキリスト教福音派の動きもあり、長期化する恐れは残ったままだ。
3月のNY金(6月限)は、インフレリスクを警戒し、早期米利下げ観測が後退したことが売り要因となったが、金急落場面では押し目を買い拾われた。3月23日に長い下ヒゲで付けた安値(4128.5ドル)~心理的節目4000ドルが、当面の底値候補だ。同水準割れにストップロスを置いた押し目買い戦略を考えたい。
ホルムズ海峡通過に関して、イスラム革命防衛隊が運営する許可制回廊で、船舶1隻当たり200万ドルを人民元で支払うという話が浮上している。ロシア・ウクライナ戦争以降、イラン産原油輸出は中国向けがほとんどで、米ドル決済ではなく人民元決済に移行している。
ドルが金本位制廃止の後、基軸通貨体制を維持したのは、原油決済を米ドルで行うというペトロダラー体制であったが、ロシア・ウクライナ戦争を経て、米・イスラエルによるイラン攻撃で、この体制が大きく揺らいでいる。
歴史的な流れの中で、この変遷は、金にとっては長期的な買い要因だ。
リーマンショック時と同じく株式市場の損失補填的に売られた安値は、買い場になろう。
~NY金とFF金利・NY金&NYダウ・CFTC建玉明細~
【NY金とFF金利】

【NY金&NYダウ】

【CFTC建玉明細】

4月注目スケジュール:
米・イラン戦争の行方・FOMC・日銀金融政策決定会合

・トランプ大統領警告タイムリミット
「48時間以内(日本時間24日朝)にホルムズ海峡を完全に開放しない場合、イランの発電所を攻撃し、壊滅させる」と表明。⇒27日まで延期。
⇒4月6日まで(日本時間4月7日午前9時まで)再延期(26日発表)
・欧州3月消費者物価指数
米イラン戦争の影響が色濃く反映、インフレ急加速へ
・日銀金融政策決定会合
植田総裁の「タカ派」姿勢に注目
・米雇用統計
雇用者数増加に転じる見込み、2月のストライキや悪天候から回復
・FOMC
急速に後退した利下げ観測に変化が出るか否か?
この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

