金:三角保合い放れ待ち④|【Weekly Report】週間予定
2025年7月28日
週間展望(7/28~8/3)
このページで知れること(目次)
週間予定:FOMC、日銀金融政策決定会合、自民党両院議員懇談会
前週:日米関税交渉合意
ドル円:200日移動平均線の攻防戦
金:三角保合い放れ待ち
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:FOMC、日銀金融政策決定会合、自民党両院議員懇談会
・FOMC
インフレ加速受け据え置きの公算大、ウォラー理事とボウマン副議長は利下げ主張か?
・PCE価格指数
伸び加速の見通し、関税の影響が大きいカテゴリーに注目
・米雇用統計
前回は予想大きく上回る雇用者数増と予想外の失業率改善でドル円一時急騰
・日銀会合
金利据え置きへ 日米貿易合意受け9月利上げ観測浮上 植田総裁会見に注目
・米中貿易交渉
ベッセント米財務長官、中国当局者と3回目の貿易協議(スウェーデン、29日まで)
・米EU首脳が協議
8月1日の交渉期限が迫るなか、首脳間で合意をめざす。
・FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)(~31日)
前週:日米関税交渉合意
【ポスト石破の動き】
日米関税交渉合意により、今後は自民党総裁候補、連立拡大の行方が注目点となる。石破首相続投の可能性もあるものの、8月6日の広島、9日の長崎の原爆式典、15日の全国戦没者追悼式後に、退陣の意向になると、自民は新総裁を決める総裁選の日程を決める。仮に石破首相が8月中に退陣を表明すれば、8月下旬あるいは9月前半に、自民党総裁選が行われると想定される。
候補者数は絞られる
前回総裁選は岸田前首相の総裁任期満了に伴うもので、過去最多の9人が立候補した。出馬には国会議員20人の推薦人が必要となるが、自民は昨年の衆院選と先の参院選で敗北して国会議員が計約60人も減った。推薦人確保のハードルも上がるため、出馬できる候補は絞り込まれる可能性が高い。
また、自公両党は衆参両院で少数与党となることから、仮に新しい自民総裁が選ばれても、衆参両院で行われる首相指名選挙で過半数を確保できる目算は立っていない。高市早苗・前経済安全保障相(64)は、政府や党の要職に就かずに首相と距離を置いてきたのに対して、前回総裁選で3位だった小泉農相(44)、4位の林官房長官(64)は閣内で首相を支えてきた立場で、石破首相が退陣を表明するまでは動きにくい。
投票方式はどちらに?
石破首相の任期途中での総裁交代となれば、自民党の党則によれば、党所属議員と都道府県支部代表各三名による、簡易形式での総裁選を行うことができる。全国一斉の党員投票のケースと比べると、勝者が変わる可能性も高く、ここから各候補の腹の探り合いと共に、野党との連立の枠組みに関する思惑も、マーケットでは交錯していくだろう。自民党は結党以来の危機的な状況に陥っており、一般党員票も含めたフルスペックの形式で実施との声は強い。
ドル円:200日移動平均線の攻防戦
【今週見通し・戦略】
トランプ関税を巡るインフレ懸念から米長期金利が上昇し、日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが進み、三角保合いを上放れたものの、参院選での与党過半数割れを受け、200日移動平均線や52週移動平均線で上値が抑えられた。その後、石破首相の退陣観測(後に否定)や、日米関税合意もあり、相場は乱高下した。
23日、トランプ米大統領は「日本と大規模なディールが完了した」 と発信し、日本への相互関税を25%から15%に引き下げるとした。日米が関税交渉で合意したことから、先行きの不透明感が後退しており、日銀が利上げに動きやすくなるとの見方も広がった。グランビルの法則での売りシグナルとなった。テクニカル的には、140-150円のレンジ放れに動意付きそう。
米中・米EU貿易協議
今後は、米国と欧州連合(EU)、米国と中国の貿易交渉が進展するか否かに注目が集まる。今週は、7月の米雇用統計や6月の米個人消費支出(PCE)物価指数といった雇用・物価指数の発表が相次ぐ。30日には米連邦公開市場委員会(FOMC)、31日に日銀、30日にカナダ中銀もそれぞれ金融政策会合の結果を発表する。米政権の相互関税の交渉期限である8月1日も迫り、様子見ムードが高まる可能性。自民党総裁候補、連立拡大の行方がも注目。8月6日の広島、9日の長崎の原爆式典、15日の全国戦没者追悼式に石破首相出席が予定されており、これらに出席後、退陣や表明時期を表明するのではないかと見られている。
通貨安誘導を牽制
トランプ大統領は、ドル安傾向について「弱いドルははるかに多くの利益をもたらす」と述べ、懸念する状況にないという認識を示した一方、「日本と中国はこれまで通貨安を望み、いまも目指している」と述べ、日中両国が自国の産業の輸出促進に向けて通貨安を誘導していると改めて批判。
金:三角保合い放れ待ち
【今週見通し・戦略】
NY金(8月限)は、価格帯別出来高の厚い3300~3500ドルを中心とした三角保合い放れ待ちが継続。
日米関税交渉合意
米通商政策を巡る不確実性や米長期金利の低下、参院選挙での与党敗北や、米政権の連邦準備理事会(FRB)に対する圧力を受けて買い優勢となったが、 日米の関税交渉合意に加え、米国と欧州連合(EU)の合意見通しを受けて、安全資産としての買われてきた金に手仕舞い売りが出た。
トランプ大統領は22日、日本との関税交渉が合意に達したと発表。日本からの輸入品に課す相互関税は15%とし、自動車・同部品への関税は27.5%から15%と引き下げる。また、米国とEUの通商協議に関し、米国に輸入される大半のEU製品に15%の関税を課すことで合意に近づいていると報じられ、米国と一部の主要貿易相手国・地域の通商交渉に進展が見られたことを嫌気した。一方、中国商務省は23日、何立峰副首相が27~30日にスウェーデンを訪問し、米国と閣僚級貿易協議を行うと発表した。8月12日に設定している一部関税の停止期限延長や輸出規制の緩和が議題に上る見通し。
また、トランプ大統領は24日、FRB本部を訪問し、ホワイトハウスが費用をかけ過ぎとして批判を強めているFRB本部の改修現場を視察した。 改めて利下げを求める一方で、パウエルFRB議長を解任するつもりはないと明言した。
NY金は6月30日安値を割り込むと、ダブルトップが意識され、テクニカル的な売りが一時的に出る可能性はあるものの、中期的な買い場を提供することとなるだろう。内外共にテクニカル的悪化から示現する安値は、チャート上の底打ち確認後の押し目買い戦略を考えたい。
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
この記事の監修者

東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。