金の取引について、購入方法から金投資をはじめるまでを徹底解説
今世界的に注目されている金取引について、金貨や金塊(金地金)の購入方法から、金の現物を買わずに金に投資する方法、金投資の注意点など、金投資の初心者が抑えておきたいポイントについて解説します。金価格が高騰していても、月数千円程度の少額から金を購入できる「純金積立」という手段もあります。多彩な投資方法のうちどれが良いか迷ったときの選び方についても触れます。
金の取引について
インフレ懸念やウクライナ情勢による地政学リスクを背景に、金価格が高騰し、金投資に注目が集まっています。投資家や証券会社が保有している金塊や金貨を売却して利益を得ていますが、更なるリターンをもとめて金地金を購入する人も少なくなく、市場は活発です。
金価格の値動きは、株式やドルの価格が上がれば、下がるというのがかつての常識でした。しかし、近年では株価やドルの上昇と一緒に金価格が上がる場面も少なくありません。株や国債などで利益を得た投資家が、分散投資目的で金を購入するケースがあるからです。
プラチナとともに現物資産の代名詞ともいえる金ですが、金塊は高価なため、手が出せないと感じている人も多いことでしょう。しかしながら、月数千円程度から金を購入、ないしは投資を行い、資産を増やすことも可能です。少額投資であっても、ネット上の数字のやりとりだけではなく、最終的には金塊の取得も目指せます。
金の購入方法
最もシンプルでわかりやすい金投資は、金地金や金貨を直接購入することです。現物が手元にあり、触ったり眺めたりできるのは大きな魅力です。
金地金とは、主に投資目的で取引される、四角形で刻印がされた金塊のことで、ゴールドバーとも呼ばれます。投資用の金地金としては、1kgまたは500gのサイズが一般的で、これより小さい金地金は加工料がかかって割高になることがあります。
金貨はオーストラリアや中国など、各政府が様々なデザインの金貨を発行しており、価格も10~20万円程度と比較的お手軽です。その代わり、グラム当たりの単価は金地金より高くなります。
金現物の購入方法としては、証券会社からも買うことができます。店頭での直接購入のほか、電話での購入や、インターネットでの購入も可能です。迷ったら、購入を希望する企業に電話かメールで問い合わせされると良いでしょう。
金の投資方法
金を直接買わなくても金に投資できる方法としては、「投資信託」「金ETF」「金関連株」「金先物取引」「金CFD」などがあります。金の現物購入に比べ、盗難などのリスクがないのがメリットです。多彩な投資方法があり、投資額もご自身の資産に合わせて無理のない額を選べるので、投資経験や好みに合わせてチャレンジしてみましょう。また、利益が出れば金塊などに交換できる投資商品もあります。
投資信託
投資のプロであるファンドマネージャーにお金を預けて、資産運用をしてもらいます。投資先として金を選ぶことができます。
金ETF
投資信託の一種ですが、証券取引所に上場しており、株のように投資家がリアルタイムで取引することができます。金ETFは金価格に連動して値動きします。
金関連株
金を取り扱う金属メーカーや関連企業などの株を買う方法です。
金先物取引
先物取引とは、将来の価格を現時点で取り決めておく取引で、現在と未来の取引時点の金価格の差額で利益を狙います。先物取引の買い方は代金の満額を、売り方は金の現物を予め用意することなく取引に参加できます。取引参加に必要な証拠金と呼ばれる担保は平時であれば総代金の4~5%程度であり、レバレッジ取引てあることからハイリスクハイリターンの取引といえます。
金CFD
「差金決済取引」のことで、金の現物に投資するのではなく、金価格や指数などを参考に、買値と売値の差額だけをやり取りする取引です。こちらもハイリスクハイリターンですが、先物取引より少ない資金で始められます。
金投資の注意点
金に投資しても、金自体が預金のような利息や、株式のような配当を生むわけではありません。あくまで、購入した時点の価格と売った時点の価格の差で儲けるのが基本です。そのため、アメリカが高金利でドル高であれば、アメリカの国債や企業の株などを買ったほうがより儲かる可能性があります。
また、有事の金と言うように、金は危機的状況で高騰するため、今後コロナ禍や世界情勢が落ち着いて安定すれば、金価格は短期的には下落する可能性があります。とはいえ、金は希少な金属なので、長期的には再び値上がりが見込めます。金塊など現物の購入を予定されている場合は、短期的な価値の下落に一喜一憂せず、長い目で見守る視点が大切です。
少額からでも積み立てられる
金地金は500gでも400万円以上しますので、敷居が高いと感じる場合は、月数千円ずつ積み立てて少量から金を買うことができる「純金積立」もあります。現物を直に購入することに比べ、長期的に一定の額を投資し続けることで、金価格の短期的な上下動による損失リスクを軽減できるというメリットがあります。
デメリットとしては、純金積立は都度手数料がかかります。そのため、手数料が割安な会社を選ぶとよいでしょう。
金投資でどれがいいか迷ったら
金投資と言うと、金塊の購入か、先物取引、というイメージがありますが、実際にはこれよりはるかに多くの選択肢があります。盗難のリスクの有無や手数料、期間の長短、投資の予算額など、ご自身の希望に合わせて最適のプランを選びたい場合は、金投資を専門としている証券会社に相談されると良いでしょう。