金:史上最高値更後、急落|【Weekly Report】週間予定
![]()
2026年2月2日
週間展望(2/2~2/7)
このページで知れること(目次)
週間予定:米雇用統計、新START失効、衆院選投開票
前週トッピクス:FRB議長後任指名
ドル円:衆院選の結果次第で上下に荒い展開も
金:史上最高値更後、急落
【海外投資家動向(225)】
【CME FED WATCH】
金ETF
週間予定:米雇用統計、新START失効、衆院選投開票

・日銀主な意見
植田総裁が次回利上げ時期示さず円安加速、ドル円159円突破
・豪中銀政策金利
利上げに転じる可能性 インフレ高止まりに労働市場堅調
・衆院選投開票
自民過半数なら財政悪化懸念再燃で円売り・債券下落の可能性
・片山財務相が金融イベント出席
・日米主要企業決算
・米雇用統計
・英中銀スーパーサーズデー
・新STARAT失効
・米・ロ・ウクライナ会談
前週トッピクス:FRB議長後任指名
【FRB議長】

トランプ米大統領は30日、5月に任期が終了するパウエルFRB議長の後任にケビン・ウォーシュ元理事を指名すると発表。就任には上院の承認が必要。トランプ政権は1月にパウエル議長への刑事捜査開始を決定するなどから上院での承認に向けては曲折も予想される。またパウエル議長が議長の任期満了後も理事としてFRBに留まる可能性もある。
ケビン・ウォーシュは、元モルガン・スタンレーのM&Aバンカー。経済学の博士号(PhD)を持たない「弁護士・実務家」タイプ。2006年、35歳の史上最年少でFRB理事に就任。リーマンショック時にはバーナンキ議長(当時)の右腕としてウォール街とのパイプ役を務めた「危機の消防士」。義父は化粧品大手エスティ・ローダーのロナルド・ローダー(トランプの長年の親友)。過去、FRBのバランスシート拡大(ばら撒き)に強い懸念を示し、バーナンキのQE2に異議を唱えた経歴を持つ。 「Fed Put(株が下がればFRBが助ける)」という甘えを嫌う傾向。短期的には市場に冷水を浴びせることも厭わない「タカ派」的側面を持つが、インフレファイターというよりは「金融システムの規律」を重視するタイプ。 「強いドル」と「健全な財政」を好む。
金融規制(ドッド・フランク法など)の厳格化に批判的。銀行の資本要件を緩和し、M&Aや融資を活性化させることで経済成長を狙う。 CBDC(中央銀行デジタル通貨)には「政府による監視」として反対の立場だが、民間のステーブルコインやビットコインには友好的。米国の金融覇権をデジタル領域で維持する戦略を採る。
パウエル議長のような「曖昧さ」を嫌い、明確なメッセージを出すため、ボラティリティ(変動)が高まる可能性がある。また、イエレンやパウエルのような「慎重な調整型」ではない。 「市場の甘えを断ち切り、規制を剥がして成長を促す」という、トランプイズムを金融面で実行できる唯一の知性派実務家である。
ドル円:衆院選の結果次第で上下に荒い展開も
【今週見通し・戦略】



ドル円は、日米当局が連携して為替介入の準備段階にあたる「レートチェック」に動いたと伝わり、急落した。日本の単独介入ではなく、日米協調介入の可能性が出てきたことが警戒され、27日には152円台まで急落。片山さつき財務相は27日、米国と緊密に連携しながら「必要に応じて適切な措置をとる」などと話した。
トランプ米大統領は27日、ドル安の進行を懸念しているか問われ「していない」と記者団に対して答えたと米ブルームバーグ通信が伝えた。
ドルはユーロや英ポンドなどに対しても売り圧力を強めており、ドルの総合的な強さを示すドル指数は一時95台と22年2月以来の水準に低下。
FRB議長人事
短期的に急激な円高ドル安が進んだ中、ベッセント財務長官が28日、円相場を支えるための為替介入は「絶対にしていない」、「米国は常に強いドルを志向している」と語り、日米が連携して為替介入するとの観測が後退した。更に、トランプ米大統領が30日、次期FRB議長にケビン・ウォーシュ氏を指名した。他の候補者ほど金融緩和に積極的でないとみられており、利下げ観測が後退したことから円売り・ドル買いが進んだ。
2025年12月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%の上昇だった。上昇率は市場予想(0.3%)を上回り、根強いインフレ圧力が示されたとの見方も円売り・ドル買いを促した。消費税減税というテーマ(円売り要因)もあり、衆院選の結果次第で上下に荒い展開も想定される。
金:史上最高値更後、急落
【今週見通し・戦略】



人類滅亡までの残り時間をカウントダウンする「終末時計」が過去最短の「残り85秒」に更新された。2026年は「国際的な相互理解が崩壊しつつある」などとして2025年から4秒針が進み「残り85秒」で過去最短となった。
米覇権・ドル基軸通貨体制の揺らぎと言う大きな金買いのテーマに加えて、米利下げ期待の高まりや、米政権の関税政策やFRB独立性への懸念、米政府機関の一部閉鎖、世界各地での地政学リスクなど複合的な要因が重なり、金への資金流入が続き史上最高値を更新したが、テクニカル的な過熱感も高まり、前週末にはNY金は急落。
国際秩序再編の均衡点を測る
連日で過去最高値を更新した後で、月末要因に加え、比較的タカ派のウォーシュ氏が次期FRB議長に指名され、利下げ観測が薄れたことから利益確定売りが膨らんだ。2025年10月28日安値~2026年1月29日高値までの上昇に対する半値押し達成。61.8%押しは4599.9ドル。心理的節目4500ドルが下値支持。価格帯別出来高の厚い5300ドル水準が上値抵抗に変化。
月間騰落傾向を振り返ると、年間で最も強い傾向のある1月の値動きは、今年もアノマリー通りだが、2月は反動安が確認される。ただし、金を取り巻く強気な環境に変化はなく、今回の大きな調整安は、結局は春高に向けた買い場を提供することになるだろう。
中間選挙へ向けて、株とのダブルバブルは終わらない。
【海外投資家動向(225)】

【CME FED WATCH】

金ETF

この記事の監修者
東証スタンダード市場上場 日産証券グループ株式会社グループ会社
取締役 菊川 弘之
帰国後、商品投資顧問会社でのディーリング部長を経て日産証券主席アナリストに。
2023年4月NSトレーディング代表取締社長に就任。日経CNBC、ストックボイスTV、ラジオ日経はじめ多数のメディアに出演の他、日経新聞にマーケットコメント、時事通信、Yahooファイナンスなどに連載、寄稿中。近年では、中国、台湾、シンガポールなど現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。また、自身のブログ『菊川弘之の月月火水木金金』でも日々のマーケット情報を配合中。

